【ヘルス朝鮮】2歳のときから40年間にわたりジャガイモだけを食べて生きてきた女性が、治療を通じて初めて果物や野菜を口にできるようになったエピソードが公開され、現代医学における摂食障害へのアプローチに新たな光を当てている。
▶「病院に30回も行ったのに気づかれず」…結局、両足を切断した80歳男性、一体何が?
24日(現地時間)、英紙「ザ・サン(The Sun)」などの外信によると、英ウォリックシャー州ヌニートンに居住するレイチェル・ホール(Rachel Hall)さん(42)は、幼少期からジャガイモ以外の食品をほとんど口にすることができなかった。フライドポテトやベイクドポテト、ジャケットポテト(皮付き丸焼き)、マッシュポテトなど、調理形態が異なるだけで、食事メニューの大半がジャガイモのみで構成されていた。
ホールさんは「ジャガイモが特別に好きだったわけではない」とした上で、「むしろ味がほとんどなく、退屈(苦痛)にすら感じていた」と語る。続けて「問題は、大部分の他の食品に対する強い恐怖感(嫌悪感)だった。野菜や果物を食べようとすると嘔吐(おうと)反射(吐き気)が起こり、新しい食べ物を飲み込むことがほぼ不可能だった」とし、「ジャガイモには刺激的な味や香りが存在しないが、強い風味のする食品は恐ろしかった」と振り返った。
こうした諸症状は乳幼児期から始まっていた。ホールさんは「幼い頃、離乳食を口に入れてもらうとすぐに吐き出し、口を固く閉ざしたまま首を横に振っていたと両親から聞いた。両親は成長すれば改善するだろうと考えていたが、結局そうはならなかった」と言及した。
数十年にわたりジャガイモ中心の食生活を継続していたホールさんは、今年受けた健康診断で「脂質異常症(高脂血症)」との診断を下されたことを機に、大きな心境の変化を迎えた。ジャガイモやフライドポテトに偏った食習慣が、健康に深刻な悪影響を及ぼしているという説明を受けたためだ。
ホールさんは、認知行動療法をベースとした催眠療法を施行する専門家のデビッド・キルマリー氏のもとを訪ね、その治療プロセスのなかで「回避・制限性食物摂取障害(ARFID)」との確定診断を受けた。彼女は「脂質異常症と診断され、これ以上は先延ばしにできないと痛感した。毎日ジャガイモだけを食べる人生にも辟易(へきえき)しており、多様な味を経験してみたかった」とし、「何よりも、果物を口にしても吐き気を催さないという経験をしてみたかった」と語った。
計8回に及ぶセッション(治療)を重ねた結果、ホールさんは生まれて初めて果物や野菜、鶏肉などを摂取できるようになった。彼女は「本当に多様な食材にチャレンジしている。特にバナナとイチゴが大好きになった」と明かした。さらに「最近では、生まれて初めて卵とスプラウト(発芽野菜)のサンドイッチを食べたが、本当に美味しかった」と笑顔を見せた。
治療を担当したデビッド・キルマリー氏は「想定以上に多くの人々がARFIDで苦しんでいるが、原因を特定できないまま、一人で問題を抱え込んで生きている」と指摘する。
ホールさんが診断された回避・制限性食物摂取障害(ARFID)とは、特定の食品の味、匂い、色、質感(食感)などに強い拒絶感を覚えたり、食品摂取後に嘔吐や窒息が引き起こされるのではないかという強烈な不安から、食事摂取の範囲を過度に制限してしまう摂食障害の一種だ。2013年、米国精神医学会の診断基準(DSM-5)において独立した公式病名として収載された。
単なる「偏食(好き嫌い)」とは明確に一線を画し、深刻な栄養欠乏(栄養失調)や体重減少、成長遅延、貧血といった全身性の健康障害を引き起こす恐れがある。一部の患者は、特定の食品が視野に入るだけでも強い不安感や悪心を催す。また、拒食症(神経性やせ症)や過食症とは異なり、「体重増加や体型に対する執着(認知の歪み)が一切見られない」という点が決定的な特徴となる。
ARFIDの正確な発病メカニズムは未だ完全に解明されていない。専門家らは、特定の食品に対する感覚的な過敏性(感覚過敏)、過去に経験した嘔吐や窒息のトラウマに起因する恐怖心、不安障害や強迫的な気質などが複合的に影響しているとみている。
治療アプローチは、主に認知行動療法を通じて執り行われる。食品に対する歪んだ固定観念や不安を段階的に軽減させ、新しい食材をステップ・バイ・ステップで経験できるようサポートする手法だ。患者の病態に応じて、栄養指導(カウンセリング)や薬物療法が並行して導入されるケースもある。
▶「世界で最も不細工な男」…全身が石のように固まる「石人症候群」