映画『暗殺』に対する上映禁止仮処分申請が棄却された。
ソウル中央地裁は18日、小説家チェ・ジョンリム氏が映画制作会社ケイパー・フィルムを相手取り『暗殺』の上映中止を求めた上映禁止仮処分申請で、チェ氏の訴えを却下する決定をした。
これに先立ち、チェ氏は今月10日、『暗殺』は自身の小説『コリアン・メモリーズ』の盗作だとして、100億ウォン(約10億6000万円)の損害賠償請求訴訟を起こすとともに、上映禁止仮処分を申請した。これを受け、13日には双方の立場を確認する審問が行われた。
裁判所は「『暗殺』の女性主人公アン・オクユンが小説の女性主人公ファン・ボリンと似ているという主張は受け入れがたい。ファン・ボリンを女性スナイパーと見るのは難しく、愛のため苦しむ姿が描かれていた反面、アン・オクユンは独立軍のメンバーで、スナイパーとして活動していたが、暗殺団のリーダーに選ばれ暗殺作戦を主導する人物として描かれており、2人に関する具体的な表現が全く異なる」と判断理由を説明。
また、チェ氏の小説では「暗殺」という素材が占める割合が大きくないが、映画では「暗殺」が登場人物たちの目標だという点も違っている。裁判所はさらに「主人公たちが臨時政府により構成された暗殺団のメンバーとして朝鮮に派遣され、暗殺の任務に就くという内容が含まれていることだけでも、両作品のあらすじや人物関係、構成が実質的に似ていると見るのは難しい」と説明した。