「アイドルでなく『第2のチョー・ヨンピルを』を探せ!」(上)

インタビュー:MBC視聴率1位『偉大なる誕生』ソ・チャンマンPD
審査員1位も容赦なく落とす
「歌手は大衆を相手にする職業、視聴者票を最優先」
審査員はライバル、挑戦者には配慮
「審査員『優勝者出したい』…挑戦者たちはほのぼの」



 MBCの勝ち抜き歌手オーディション番組『偉大なる誕生』がブームを巻き起こしている。視聴率25%前後と、MBCの全番組で1位。テレビ局3社の全番組を見ても、週間視聴率ランキングで5位以内に入っている。

 『偉大なる誕生』は昨年11月のスタート当初、ケーブルテレビチャンネル「Mnet」が放送し、社会的に大きな反響を呼んだ『SUPER STAR Kシーズン2』の亜流、または「パクリ番組」と言われた。しかし、回を重ねるごとにアドバイザー・指導者役でもある有名歌手の審査員5人の熱意と、アマチュアの挑戦者たちの熱唱が「化学反応」を起こし、高視聴率につながった。ショートメッセージサービス(SMS=携帯電話で短文を送受信するサービス)投票に参加している一般視聴者数だけで120万人(先月29日現在)と推定されているほどだ。

 このブームの中心にいるのは、「何かが違うオーディション番組を作ろうと、骨身を削ってきた」というソ・チャンマン・プロデューサー(43)だ。1日午前、一山MBCドリームセンター(京畿道高陽市)内の同番組制作スタッフ室で会った同プロデューサーは「『従来のオーディション番組とは差別化しなければならない』という強い思いに駆られていた。ほかの要素は徹底的に排除し、挑戦者たちの歌唱力と喜怒哀楽だけに神経を集中させた」と話す。

 先月29日の放送で審査員評価1位を得ながら、視聴者のSMS投票で点数が足りず、脱落した挑戦者チョン・ヒジュさんをめぐり、インターネット上で大きな騒ぎになっていることについて、同プロデューサーはとても困惑していた。局の同僚たちからも先を争うようにこの件について聞かれたという。

-「チョン・ヒジュ脱落騒動」からお話を伺いたい。

「次のシーズンで補完すべき部分だ。審査員の点数が当落を決める要素はそれほど強くない。1位と最下位の点差は多くても2点くらいだからだ。今回の件を機に、その幅を広げるべきだと考えるようになった。それでも、視聴者の意見は尊重する。純粋に歌唱力だけを評価するなら審査員の意見が重要だが、どの挑戦者も結局、大衆を相手にして仕事をし、食べていける歌手になるのが目的だ。それなら、視聴者の意見は優先されるのは当然だ」

-視聴者のSMS投票は歌唱力を正確に評価している?

「もちろん、そうではない。音楽以外の部分が作用している。哀れな個人エピソードを見て同情票を投じるケースも多い。最近は、プロの歌手であるアドバイザーに対する好き嫌いが、その挑戦者の評価に影響を与えているようで心配だ」

-個性が違う音楽や歌に点数を付けることが果たして正しいのかどうか、意見が異なることもあり得る。

「率直に言えばナンセンスだ。だが、そうしなければ大衆は関心を持たない。この番組が、5年以上続いているアイドル中心のK-POP市場に変化をもたらしてくれれば、という思いがある。『(セクシーアイドルの)イ・ヒョリより(歌唱力で魅了する)チョー・ヨンピルが探せ』と始めた番組だから、わたしたちはできるだけ歌唱力に焦点を合わせようと考えている」

-審査員について残念に思っていることは?

「視聴者が『すごい』と評価した時、審査員も一斉に9.5以上の点数を出してくれればなあ…という気持ちはある。そうなれば、『絵になる』のでは。審査員たちの音楽的傾向がかなり違うので、票は決して集中しないのだが…」

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