テレビ3社のイラク戦報道を分析

 選挙放送に使った仮想スタジオ、音響効果を加えた劇的な画面、「CNN中継」風の報道…。

 地上波テレビ3社のニュースがイラク戦をゲーム方式で「中継」し、極端に米国寄りだったという分析が出た。先進国のように放送委員会が「戦争報道基準」を設けなければならないという主張も同時に提起された。

 韓国放送映像産業振興院のニュースウォッチチームは、米国がイラクに侵攻した3月20日からバグダッドが陥落した今月9日まで、KBS、MBC、SBSテレビ各局の夜のニュースを集中分析し、23日に報告書(研究責任者ソン・ジョンギル博士)を発表した。

 分析期間中、地上波テレビ3社の戦争関連報道は平均60%程度だったが、戦争初期にはKBS76.4%、MBC 84.0%、SBS 81.4%で、「過多に戦争の雰囲気を造成した」と分析された。報道のテーマは「戦況」が3社平均で49.0%と半数近かった。

 3D映像や仮想スタジオ方式はKBSが95回、MBCが64回、SBSが54回放送し、これは「ゲーム式の表現で戦争の深刻さよりも娯楽・軟性化を促す可能性がある」という指摘だ。

 報道画面はミサイルや銃砲の発射場面が3社合計478件(18.8%)で最も多く、続いて部隊の移動、進撃場面(11.5%)だった。こうした場面の過剰な使用は、戦争に対して無感覚になる恐れがあると研究チームは指摘した。

 ニュースを引用した海外のテレビ局はCNNが最も多かった。戦争初期の場合、KBSが引用した海外のテレビ局の中でCNNは67.2%にも達し、MBCは62.2%だった。SBSは35.7%で比較的低かったが、「不正確な情報源」が34.3%にも達した。

 報道の深層性も貧弱で「深層報道」に分類されたニュースはKBSの13.8%にとどまり、MBCとSBSはそれぞれ0.9%と2.3%に過ぎなかった。

 研究チームは英国BBCとフランス放送委員会の「戦争報道ガイドライン」を紹介し、韓国の放送委員会も戦争などの国際紛争報道に対する基準を設けなければならないと提起した。英仏のガイドラインは、客観性、報道言語、正確な出処、報道映像の慎重な使用、多様な視覚の報道などを求めている。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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