6月25日に終了したドラマ『九家の書』でタム・ヨウル役として、アクション演技や時代劇に初挑戦し、好評を博した女優スジと会った。
時代劇に初挑戦したのことについて聞くと、スジは「いろいろな作品をたくさん見ました。本当に台本をかなり読み込んだと思います。アクションも一生懸命習ったし。ヨウルになりきろうとかなり努力しました」と答えた。
同ドラマは最終話、自己最高視聴率の19.5%(ニールセンコリア調べ)で終了。これほどまでの数字を残すと、全打席ホームラン級だ。「ガラリとイメージチェンジし、新たな一面を見せようとは思いませんでした。まだ自分が上手く演じられる役を選んでいるし。監督や脚本家の先生への信頼もありました。ヴァンパイアのような役をやってみたかったけれど、半人半獣が登場するファンタジーに惹かれたし、ヨルムというキャラクターを上手く演じられるという漠然とした思いがありました」と、出演を決めた理由を説明した。
スジはドラマを振り返り、「本当に幸せな気分で撮影できた作品」と満足感を示した。紅一点の現場で苦労はなかったか、と聞くと「大変なことはなかったです。誰もわたしに強要はしなかったけれど、わたしがどこへ行っても最年少で若いので、撮影現場に行くと、さらに明るくなってテンションが上がるみたいです。あいさつもハイトーンでするようになり、疲れているスタッフを見ると近づいて声をかけたり、そういうのがわたしの役割なのかなと」と明るく笑った。
明るい笑顔であいさつを交わすスジが、涙を見せたことがある。5月20日に行われた同ドラマの記者懇談会で、突然どっと涙をこぼしたのだ。これについて、スジは「そのときは、正直自分でもなぜ泣いたのか、よく分からなかったんです。ただいろいろなことが重なり合っていたんだと思います。理由があって泣いたのではないので。そういうことあるじゃないですか。すごく忙しくてうれしいんだけど、睡眠もとれず、スケジュールもぎっしりだから。忙しく仕事ができるということがとても幸せなのに、分かってはいるけれど、体がとても疲れた状態なので、幸せだということを忘れるときがあります。だから、そういう複雑な感情がそのときに出たんだと思います」と説明した。
20歳になったスジは、miss Aとしての音楽活動に女優活動と休む間もない日々を過ごしてきた。スジに『九家の書』が終了したあとのオフの計画を聞くと「運転免許を取りたいです」と元気な少女の顔に戻った。「ドラマの撮影の間、できなかった運動もして、実家に預けていた子犬も迎えに行って。それから、会えなかった友だちとも会いたいし、見られなかった映画も見たいです」
スジの次の一手は何か? スジは「まだ次回作の計画はないです。でも、やりたいことはすごく多いです」と並々ならぬ意欲を見せた。「魔性の女を演じてみたいです。誰もがハマってしまう危険な魅力を持つ女性っているじゃないですか」というスジの言葉に、想像できないと言うと「いつか、自分がシナリオを書いてでも必ずやります」という答えが返ってきた。
前作のドラマ『ドリームハイ』や映画『建築学概論』で見せた純粋な学生のイメージが、20歳のスジには感じられない。いつの間にか、彼女は一段と成長した姿で、表舞台に立つ準備ができているようだ。