イ・ジョンヒョンら東京国際映画祭『未熟な犯罪者』で会見

イ・ジョンヒョンら東京国際映画祭『未熟な犯罪者』で会見

 26日午後、開催中の東京国際映画祭コンペティション部門に招待された作品『未熟な犯罪者』の記者会見が行われ、カン・イグァン監督(脚本/エクゼクティブ・プロデューサー)、主演のイ・ジョンヒョンとソ・ヨンジュが参加した。

 『未熟な犯罪者』は、保護観察中の16 歳の少年ジグ(ソ・ヨンジュ)が祖父を失い、天涯孤独の身となろうとしたとき、死んだはずの母親ヒョスン(イ・ジョンヒョン)が現れる。彼女は17 歳のときに彼を産み、逃げたのだった…。共に「犯罪少年」(本作の原題)だった未熟すぎる母親と大人になれない少年のせつない関係を繊細につづった親子の物語だ。

 カン監督は、「最初に考えていたエンディングは異なるものだった」と言い、「ジグと母親、そしてジグのガールフレンドのセロンはそれぞれ犯罪を犯した経験がある若者たちで、『弱いものが助け合い家族を成していく』ということで、ジグが少年院から出てきたところで彼らが一堂に会する、という構成ですでに撮影も行っていた。しかし、撮影や編集の段階で何か作為的だと感じた。最初は寂しい思いをしていたジグが母親と会い、そして再び離れ離れになってしまったが、最後は母親が自ら子どもに会いに行く意思を持つ、という希望を感じさせるエンディングが良いのではないかと思い、撮り直した」と明かした。

 イ・ジョンヒョンは、役柄について「ヒョスンも元々は家出をしたり、素行に問題がある若者だったので、気性が荒いところがあると考え監督ともそう話し合った。そんな彼女が母となったことでつらいことがあっても泣き言を言わず、りりしくたくましく生きている姿を演じようと思った。ただ彼女は極端に悪い状況に追い込まれると、学校にも通えなかったり、盗みを働いたり、少年院に入ったり、未婚のまま母親になった悔しい思いや社会に捨てられたという思いから、元々ある激しい部分も出てくる女性だと考えていた」と役を分析。

 一番難しかったシーンは、との問いには「床を転がりながら叫ぶシーン」とし、「友達の家から出ていけと言われる場面だが、自分が置かれている過酷な状況をあらためて認識して感情を爆発させるというシーンでしたが、その感情を作るのが大変だった。テイクは1回ですんだが、時間がなくリハーサルができず、気持ちを作っていく5分か10分間が何カ月もの時間に感じた」とその時の気持ちを語った。

 また、ジグが家庭裁判所で判決を受けるときに、「罪を軽くしてくださいよ~」と面白い顔をしておどけた印象的なシーンの演技について、ソ・ヨンジュは「最初やったあのシーンの演技はもっと重かった。すると監督が『重すぎるのでもう1回やってみよう』とおっしゃって、何度も撮り直したので、いいシーンになったと思う」と語った。

 するとカン監督は「彼は元々とても良い演技をしてくれた。わたしは細かい表情までは指示しないのだが、俳優らとはたくさん話し合いをした上で撮影に臨み、撮影がいったん始まると彼らの自由にさせるがテイクは多いと思う」とし、「あのシーンは本物の裁判所で撮ったが、恐らく彼もそこに実際に身を置いて考えた上で演技をしてくれたと思う」とその演技力を評価した。

 なお、同作品は25日、26日に同映画祭で上映され、カン監督とイ・ジョンヒョン、ソ・ヨンジュは観客とのQ&Aも行った。

イ・ジョンヒョンら東京国際映画祭『未熟な犯罪者』で会見

イ・ジョンヒョンら東京国際映画祭『未熟な犯罪者』で会見

イ・ジョンヒョンら東京国際映画祭『未熟な犯罪者』で会見

イ・ジョンヒョンら東京国際映画祭『未熟な犯罪者』で会見

イ・ジョンヒョンら東京国際映画祭『未熟な犯罪者』で会見

東京= 野崎友子通信員
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