スッとした細面の顔立ちで熱く激しい感情を演じる時、そのギャップから生まれる効果は絶大だ。女優ムン・チェウォン(24)。はかなげな容姿で悲劇的な愛の痛みを全身で表現すれば、視聴者の心は大きく揺さぶられる。視聴率20%を突破してもなお人気上昇中の水木ドラマ『姫の男』(KBS第2)だ。
首陽大君の長女セリョン(ムン・チェウォン)は、父の政敵・金宗瑞(キム・ジョンソ)の末息子キム・スンユ(パク・シフ)と実らぬ恋をする。毎回つまずき、傷つき、泣いて捨てられながらも切ない恋を守ろうとする熱演で、ドラマ序盤に巻き起こった「演技力に対する批判」の多くは消えた。さらに、ムン・チェウォンが出演している映画『最終兵器 弓』も通算観客動員数500万人を超える大ヒットとなり、二重の喜びだ。8日、ムン・チェウォンに電話でインタビューした。
-撮影が非常に大変だと聞いた。
「地方での撮影がとても多くて、人気の実感がありません。1週間で10カ所以上の撮影現場を行き来していますが、視聴率の話を聞くと力が沸いてきます」
-視聴者は『姫の男』のどんなところに魅力を感じていると思う?
「最近は悲劇的な愛に関するストーリーが少ないと思います。愛を描くドラマですが、主人公と両親、周囲の人物をめぐる関係がとても複雑に絡まっています。そうした構図が興味をそそるのでしょう」
-矢に当たりけがをして倒れるなど、ハードなシーンが多い。
「体力的につらいということはあまりありません。転がり落ちたり、手を縛られたりしても、それはすべていいドラマを作るためですから。鋼の体ではありませんが『最終兵器 弓』の撮影でもある程度経験しているので…(笑)。つらいことがあるとすれば、愛する人々がわたしを憎む気持ちや、愛する人の痛みなど、すべてを包み込み受け入れなければならない心境を表現することですね」
-セリョンという役は精神的にも消耗が激しく、感情を保つのは大変では?
「何せ悲劇的な役なので…。台本を何度も読み、気持ちを理解しようと努力しました。監督とたくさん話をして、相手役の方(パク・シフ)とも『これはどうか』と話しました。それが今になって生きてきて、助けになっているようです」
-ドラマが始まったばかりのころは「せりふ回しや演技が時代劇に合っていない」という批判もあった。
「思い当たるところはありました。視聴者の方は自由に言ってくださったのだし、わたしのためにもなることなので…。ドラマの序盤、セリョンを元気で明るい現代風の女の子のように演じましたが、その演技のトーンが視聴者の皆さんの考えと一致していなかったようです。スムーズさが足りていませんでした」