ソウルで「フードトラック」が人気(下)

▲ 梨泰院駅の近くでエジプト風のサンドイッチを販売するシェフのアリさんが、肉を炒めながら客と会話している。


 ソウルの中でも異国的なフードトラックが多く集まるエリア、梨泰院。毎週金曜日と土曜日の夜になると、30‐40台のフードトラックが地下鉄6号線の梨泰院駅周辺に並ぶ。ケバブ、ハンバーガー、ホットドッグ、タコス、エジプト風のサンドイッチなどを販売するフードトラックが、午後10時ころから朝6時まで営業する。この日、梨泰院に集まったトラックの周辺には、香ばしいチーズや香辛料の香りが漂い、ラム肉が美味しそうに焼けていた。昨年7月からチリドッグ、ポテトを販売している韓国系米国人ソン・ジュヒョンさん(44)は「韓国に来るまではニューヨークで父親とファストフード店を経営していた」と話した。カナダのトロントから来たというカン・ジュンホさん(35)は、5月から友人2人と共に25人乗りバスを改造し「ピザバス」をオープンした。カンさんは「自分の店を出すのが夢だが、まずはお客さんが僕の料理を美味しいと思ってくれるかどうかを確かめたかった」と話した。

 屋台の取り締まりを行う竜山区街路整備チームの関係者は「今春から梨泰院の路上にフードトラックが増えている。フードトラックは道路法に違反するため、罰金の対象となるが、全てのトラックを取り締まるのは難しい」と現状を語った。ケバブのトラックで働くパキスタン人(31)は「ごみや調理の際に出る煙のため、取り締まりを受けるのではないかと心配」と話した。

 移動が自由なフードトラックは、顧客確保のために簡易投稿サイト「ツイッター」を活用している。米国全域にフードトラックを流行させた一人、韓国系シェフのロイ・チェさん(41)は「コギ・タコ」トラックが移動する場所と時間をツイッターにアップし、一躍有名になった。このほか、サンフランシスコにはタコスや日本の豆腐料理、ラーメンなど、さまざまなフードトラック10‐50台が1カ所に集まる場所を知らせる会社もある。

 汝矣島でコーヒートラックを営むチョ・ヨンミンさん(28)、イ・ヒョンソクさん(28)は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用したマーケティングに着眼し、ツイッターに友達登録をした顧客には500ウォン(約37円)の割引サービスを実施している。梨泰院で「ピザバス」を営むシェフ、カン・ジュンホさんは、Tシャツに書かれたSNSのアドレスを見せながら「フードトラックでは、名刺やTシャツにSNSのアドレスをプリントしているシェフをよく見掛ける」と話す。

ハン・ギョンジン記者
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