映画『グエムル-漢江の怪物-』の日本での反響はいまひとつだった。250カ所もの映画館で上映され、ポン・ジュノ監督とソン・ガンホなど主演俳優が幾度も日本へ渡り、大々的に映画のプロモーション活動を行ったものの、公開初日のボックスオフィスは7位にとどまった。
期待を集めていた日本市場での失敗に、韓国におけるけた外れの成功の理由を突き詰めて考えるべきだという意見が挙がるなど、映画の作品性に関する論争が繰り広げられている。
『グエムル』が韓国で新記録を次々打ち立てていたときも、スクリーン独占問題など幾つかの問題が取りざたされていた。キム・ギドク監督は当時から「韓国映画の水準と韓国の観客の水準が最高点でぶつかった」と批判めいた発言をしている。
同作は映画にインターネットマーケティングが結合した成功ケースのひとつだとされている。映画が最高ヒット記録を更新している間、メディアは大きく騒ぎ立てた。インターネットポータルサイトを中心に「動員記録強迫症」にでもかかったかのように、『グエムル』の興行記録を連日のように報じた。刺激を受けたネチズンもナショナリズムに近い自発的な愛国主義で映画を盛り立てる「集団主義マーケティング」という新しいシンドロームを巻き起こした。にもかかわらず日本では惨敗した。
最近はネチズンらの書き込みにも批判の内容が増え、「この程度の水準の映画が韓国最高のヒット作だというのか」(asaq77)、「結局、キム・ギドク監督の言葉が正しかった」(lsyilv)、「数日間でひとつの国家の4分の1を超える人々が同じ映画を観る国があるだろうか」(youngsu7)、「グエムルはバブルだった。やはり第三者が最も客観的なのかもしれない」(cnggywjsrk79)、「集団催眠マーケティングは韓国では通じても日本では通じない」(homuda1)など厳しい意見が並んだ。