映画『グエムル』、怪物誕生まで2年6カ月・50億ウォン


 映画『グエムル-漢江の怪物-』のリアルで独特な怪物像が誕生するまで、2年6カ月もの間2000体近いイメージ像が作られ、試行錯誤が積み重ねられた。2003年12月から構想だけで1年、その後1年6カ月の制作期間を経て、2006年5月にようやく「怪物」が完成した。

 初めからポン・ジュノ監督は、ハリウッド映画とは一線を画した怪物を想像していた。乱暴で怒りやすい部分を含みながらも、時にはよろめいたり倒れたりと、人間的なあわれみを感じさせるキャラクター像を。

 そしてチャン・ヒチョルデザイナーの苦労の末、ついに怪物の原型デザインが完成した。大きさは一般バスとほぼ同じサイズで、一対の短い足で歩く怪物。動かすことのできない奇形の足1本と突起物(後ろ足になりかけた)が付いているほか、長くて素早く動く尻尾に蓮の花のように5つの部位からなる口。魚類と両生類を混ぜ合わせたような怪物の姿は、生物学的な知識はもちろん、感情表現をうまくデザインに投影させることが必要だった。

 そして2005年1月には、デザインで完成した怪物のミニチュアモデルが製作された。映画『ロード・オブ・ザ・リング』『キング・コング』などハリウッド映画に登場するさまざまな生命体を制作してきたニュージーランドのウェタ・ワークショップ社がモデリングを担当した。怪物のデザインを見たウェタ・ワークショップ社は「我々が17年間かけて積み上げてきたものを、『グエムル-漢江の怪物-』制作チームはわずか2年で作り上げた」と賞賛の声を惜しまなかった。

 そしてついに、ハリウッド特殊視覚効果専門会社ザ・オーファナージ社により、スクリーンの中での怪物が誕生した。アニマティックスという技法により、怪物が実際には俳優たちと現場で共演しないが映画の中の主人公として活躍した。

 これら怪物制作にかかった費用は約50億ウォン(約6億円)。全制作費112億ウォン(約13億円)の半分近い費用が、この怪物のギャラに使われたのだった。

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