犬童一心監督「『殺人の追憶』は日本ではなかなか見られない作品」


 「日本でも再公開されたことのない私の映画が、韓国で再び公開されることになり、とても嬉しいです。韓国で私の人気を体で感じるために来ました(笑)」

 昨年10月29日に公開され、根強い人気を集めてきた『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心監督。29日の『ジョゼ…』の韓国再公開を記念し、犬童一心監督は主演女優の池脇千鶴(ジョゼ役)と共に、2泊3日の日程で韓国を訪れた。

 犬童一心監督は、スターニュースとのインタビューで、「『ジョゼ…』は純愛映画で、作品を通じて恋愛の始まりと終わりをしっかりと描きたかった」と話した。

 『ジョゼ…』は、大学生の恒夫(妻夫木聡)と脚の不自由な少女ジョゼ(池脇千鶴)の恋愛をソフトなタッチで描いた作品。『ジョゼ』で犬童一心監督は、池脇千鶴と映画『大阪物語』『金髪の草原』に続き、3度目のコンビを組んだ。

 映画の中の“障害者”の素材については、「映画のテーマではない。原作者の田辺聖子が脚が不自由であると聞いている。ジョゼの障害は誰しも抱えている自分だけの“歩行不能”と捉えることができる」と話した。

 最近、日本でブームを起こしている韓流に関して、犬童一心監督は比較的冷静だ。

 「初めから終わりまで見た韓国の作品はあまりないが、『冬のソナタ』は結構見た方です。韓国の俳優がとても美形だったのが印象的でした。年配の女性たちの気持ちが分かれば、韓流人気が理解できると思います。結局、スターを見ているということでしょう」

 奉俊昊(ポン・ジュノ)監督の『殺人の追憶』に対しては、かなり声を大にして喜んだ。

 「俳優たちの演技がとても良かったです。心を込めて撮ったという感じが歴然としていただけでなく、政治社会的な素材にサスペンス、笑いまで加わり調和がとれていた点がとても印象的でした。日本ではなかなか出てこない作品です」

 「日本でなかなか出てこない」という意味についてさらに聞いてみると、犬童一心監督は『殺人の追憶』は数か月かけて撮ったと聞いたが、これが日本だったらおそらく30日で撮り終えなければならなかっただろう」とし、「日本で政治社会性に忠実でない産業娯楽映画は、それほど時間とお金をかけないものだ」と答えた。

 現在、日本では犬童一心監督の映画『メゾン・ド・ヒミコ』『タッチ』の2本が上映中。監督はまた、1960年代の雰囲気を生かした映画をもう1本、構想中だ。

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