「具合が悪いまま撮影するとは、天の助けと思った」
女優キム・ヘスクが、映画『HERSTORY』(ミン・ギュドン監督)に登場する関釜裁判証言シーンの裏話を打ち明けた。
キム・ヘスクは、『HERSTORY』の公開を控えた6月8日午後、ソウル市鍾路区三清洞のカフェでインタビューに応じた。
『HERSTORY』は、従軍慰安婦に対する日本政府の賠償責任を認めた関釜裁判の実話を取り上..
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「具合が悪いまま撮影するとは、天の助けと思った」
女優キム・ヘスクが、映画『HERSTORY』(ミン・ギュドン監督)に登場する関釜裁判証言シーンの裏話を打ち明けた。
キム・ヘスクは、『HERSTORY』の公開を控えた6月8日午後、ソウル市鍾路区三清洞のカフェでインタビューに応じた。
『HERSTORY』は、従軍慰安婦に対する日本政府の賠償責任を認めた関釜裁判の実話を取り上げた作品。劇中、元従軍慰安婦ペ・ジョンギル役を演じたキム・ヘスクは、全てを投げ打って撮影に臨んだと語り、ハイライトにほかならない裁判シーンのため、実際に体がつらかったにもかかわらず、一口も水を飲まずカメラの前に立った、と打ち明けた。
キム・ヘスクは「裁判シーンを四日間かけて撮った。一日に一人ずつ撮るのを見守りながら、みんな一緒に入り込んでいった。撮影が近付くともうへとへとで、精神的にもつらかった」と、当時を振り返った。
「体の具合がよくなかった。三日目は本当につらくて、撮影に出たくないほどだった。それでも、私がつらいと嘆いてはいけないと思い、撮影に臨んだ」と語ったキム・ヘスク。
キム・ヘスクは「撮影現場に行って自分の姿を見ては、『自分がやらないといけない日に体がつらいとは、本当に天の助け』と考えた。女優としてただ扮装するのとは違っていた」と語った。
また、キム・ヘスクは「本当にささやかだが努力したことと言えば、一日中、水を一口も飲まなかったこと。少しでも唇が濡れるといきいきとした感じになるので、唇が乾き切った状態でいようと心がけた」と説明。
ほかのキャストも皆、格別の思いで演じ、感情の流れが途切れてしまうからなのか、トイレにも行かずその場に居続けて演技を繰り広げたほどだという。
キム・ヘスクは「私も法廷の席に座って、まず最初にお祈りをした。きょうは演技がうまくできるようにしてほしいとは祈りたくなかった。あの方がどういう心情でここに立ったのか、その気持ちをわずかでも胸に響かせ、演じさせてほしいと祈って撮影に入った。そんな風に祈ったのは初めて」と当時を振り返った。
『HERSTORY』は、1992年から98年まで6年間にわたり裁判を続け、ひたすら自分たちの努力で日本政府に堂々と立ち向かった女性たち、そしてその女性たちと共に歩んだ人々の物語。6月27日公開。
キム・ヒョンロク記者
STARNEWS/朝鮮日報日本語版
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