恋愛がこういうものなら絶対に遠慮したい。3月14日公開の映画『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』(キム・ジェヨン監督)は、女性が生きていく中で直面するあらゆる危険をロマンスの道具として活用している。女子大生ホンソル(オ・ヨンソ)は、同じ大学で人気のある先輩ユジョン(パク・ヘジン)に好奇心を抱くが、話しかける勇気がない。そんなある日、ユジョンが近づいてきて「僕と付き合わない?」と尋ねる。ホンソルはユ..
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恋愛がこういうものなら絶対に遠慮したい。3月14日公開の映画『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』(キム・ジェヨン監督)は、女性が生きていく中で直面するあらゆる危険をロマンスの道具として活用している。女子大生ホンソル(オ・ヨンソ)は、同じ大学で人気のある先輩ユジョン(パク・ヘジン)に好奇心を抱くが、話しかける勇気がない。そんなある日、ユジョンが近づいてきて「僕と付き合わない?」と尋ねる。ホンソルはユジョンと付き合う中で逆に、訳の分からない脅威を感じるようになる。
累積閲覧数11億ビューを記録した同タイトルのウェブ漫画が原作の作品。同名のドラマが2016年に放映され、これも人気を集めた。制作陣は、漫画版の主人公と一番よく似ていると評されるパク・ヘジン、オ・ヨンソ、ユ・イニョン、パク・ギウンをキャスティングし、ドラマ放映当時「原作を変えすぎ」という批判があったことを意識するかのように、できるだけ原作のエピソードを用いて藩士のスジを通した。原作ファンはこのニュースを歓迎しているが、映画の方はこの過程で、選び出すべき肝心の部分を抜かし、取り去るべき部分ばかりどっさり拾い集める形で作られた。
原作は、各キャラクターが抱えるタマネギの皮のような内面を1枚1枚はいでいく、はらはらするようなプロセスに焦点を合わせていた。だが映画は、漫画の中の事件だけをざざっと取り出した。ホンソルが終始見舞われる苦難と逆境も、ここから来ている。初めて見る男性(パク・ギウン)が地下鉄で「ついて来い」と腕ずくで引っ張っていったり、大学同期の男子学生が手首をぞんざいにつかみ、殴るかのように脅したりするのは、単なる始まりにすぎない。
ストーキング、拉致、隠しカメラ、ネットいじめ、性的暴力…。韓国の女性が生きていく中で直面し得るさまざまな恐ろしい出来事を、この映画は116分の上映時間にぎっしり詰め込んだ。その過程で、ホンソルは無力だ。ホンソルにできるのは恐怖に震え、唇をかみしめること、決定的な状況になるたび救援投手として登場する先輩ユジョンに「ありがとう」と言うことだけだ。この残酷ドラマを見て「私もユジョンのような男性に助けられたい」と思う女性が一人でもいるだろうか。15歳以上鑑賞可。
ソン・ヘジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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