医師と弁護士は同じ士師業に属するが、作品によって視聴率の浮き沈みがある弁護士とは違い、医師は好成績の「保証手形」だ。SBSの月火ドラマ『浪漫ドクター キム・サブ』は、11月29日放送分が視聴率20%の壁を超えた(21.7%、ニールセン・コリア調べ)。この作品が登場するまで今年のSBS平日ドラマの最高視聴率を保持していた『ドクターズ』(21.3%)も、やはり医学ドラマ。今年最高の話題作となったKB..
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▲ドラマ『浪漫ドクター キム・サブ』は、変わり者の天才医師キム・サブを演じるハン・ソッキュ(写真左)と、ユ・ヨンソク(左から2人目)、ソ・ヒョンジンが好演を繰り広げ、視聴率20%を超えた/写真=SBS
医師と弁護士は同じ士師業に属するが、作品によって視聴率の浮き沈みがある弁護士とは違い、医師は好成績の「保証手形」だ。SBSの月火ドラマ『浪漫ドクター キム・サブ』は、11月29日放送分が視聴率20%の壁を超えた(21.7%、ニールセン・コリア調べ)。この作品が登場するまで今年のSBS平日ドラマの最高視聴率を保持していた『ドクターズ』(21.3%)も、やはり医学ドラマ。今年最高の話題作となったKBS『太陽の末裔』のソン・ヘギョも、マニア層の熱い支持を受けたMBC『W 二つの世界』のハン・ヒョジュも、医師という共通点がある。
1994年にドラマ『総合病院』がヒットを飛ばして以来、医学ドラマはキャラクターの幅や想像力を拡大し、好成績を収めてきた。権力の化身(『白い巨塔』2007)、脱北者(『ドクター異邦人』2014)、暴力団と取引する医師(『ヨンパリ』2015)、元非行少女の医師(『ドクターズ』2016)などなど。医師不敗伝説だ。
優れた外科専門医だったのに、大学病院内での権力をめぐる暗闘によって追い出され、田舎の小さな病院で人を助けたいという信念で働いているキム・サブ(ハン・ソッキュ)。彼を追い出して大学病院のトップに立ったト・ユンワン(チェ・ジノ)院長は、キム・サブが働く田舎の病院が、同じ財団の傘下にあることを利用して、再び彼を窮地に追い込む。正義の医師と私欲にまみれた医師の対立は、『白い巨塔』『ドクターズ』など大部分の医学ドラマで登場する構図にもかかわらず、今回もまた視聴者を引き付けている。
「4話の法則」という言葉が生まれる昨今のドラマの流れに、医学ドラマはよくマッチしている。4話までに確保した視聴者がどれだけいるかによって、ドラマの勝敗が決まるという意味だ。4話で視聴率13.8%を記録して同時間帯トップに立った『浪漫ドクター』は、追い風を受け、折り返し前の8話で20%の大台に乗った。寸秒を争い生死の境を行き来する手術室の風景そのものが、毎回1本の小さなドラマになり、序盤から強力に展開させることができる。心停止患者に対する緊迫した手術が続き、倫理的な問いを投げかける。「患者の人権? 医師としての倫理綱領? 私の前で、そんなことを聞くな。ここにあるのは一つだけ。生きることだ!」(ハン・ソッキュ) 緊張と対立が絶えず続き、視聴者を刺激する。
「3分診療」でおなじみの現実とはまるで違う情熱的な医師が好成績の要素、という分析もある。ドラマ評論家のユン・ソクチン教授(忠南大学国文科)は「医学ドラマを見て視聴者は、いつか自分も手術台の上の患者になりかねないと考える。ヒューマニズムで武装し、病院内部の不条理すら克服して患者を治療するドラマ内の医師の姿に、カタルシスを感じている」と語った。
ここに、ラブロマンスを一匙乗せる。『浪漫ドクター キム・サブ』のユ・ヨンソクは、第1話から早くも先輩医師(ソ・ヒョンジン)に奇襲キスを浴びせた。医師は、職業的な特性から、どんな人間と会っても不自然ではない。特殊部隊の隊員(『太陽の末裔』)、かつての担任(『ドクターズ』)、財閥の跡継ぎ(『ヨンパリ』)とも会う。
番組後半の興行が成功するポイントもまた「基本の技」にあり、という分析もある。テレビ評論家のチョン・ソクヒ氏は「『ヨンパリ』は手術シーンが不自然で演技力不足という批判が起こり、底力が落ちた。『白い巨塔』や、米国・日本の医学ドラマを見た視聴者の視線に合わせなければならないので、『浪漫ドクター キム・サブ』は演技も考証も優れている」と語った。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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