『釜山行き』では描けなかった監督の本心、『ソウル駅』にあり

2016/09/04 11:18

 詩人の李箱(イ・サン)は「知っている人がまず誰も来ない、たとえ来たとしてもすぐ帰る」ソウル駅(当時は京城駅)が好きだと言った。ここでは、大きな夢を抱いて上京してきたり、胸を高鳴らせて旅行に出かけたりする人々が、自然と肩をぶつけて行き交う。戻るべき場所や行くあてを失って浮遊する人が一番多いのも、ソウル駅だ。ホームレスの一人が「ゾンビ」に変わったとしても、誰が気付くだろうか。

 ヨン・サンホ監督のアニ..

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