身長188センチで少女漫画の主人公のようなルックスだが、それとは反対の男性美あふれる重低音の声を持つ俳優ユ・ミンギュ(26)。抜群のビジュアルと生まれつきの身体的条件を兼ね備えたモデル出身の俳優として、女性ファンの関心を集めている。
1987年9月18日生まれのユ・ミンギュが人生を振り返ったとき、最も輝いていた瞬間はモデルを始めた二十歳の冬だ。「学生時代は国楽で成功したかったけれど失敗し、その後..
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身長188センチで少女漫画の主人公のようなルックスだが、それとは反対の男性美あふれる重低音の声を持つ俳優ユ・ミンギュ(26)。抜群のビジュアルと生まれつきの身体的条件を兼ね備えたモデル出身の俳優として、女性ファンの関心を集めている。
1987年9月18日生まれのユ・ミンギュが人生を振り返ったとき、最も輝いていた瞬間はモデルを始めた二十歳の冬だ。「学生時代は国楽で成功したかったけれど失敗し、その後は将来の方向性をつかめないでいた。でも5歳上の姉の勧めでモデルを始めるようになり、再び夢を抱くようになった。そのときが一番輝いていた瞬間だった」
一人で始めたモデルの仕事は、ユ・ミンギュが胸を張れるくらいうまくいった。モデルをしながら、俳優としても活動の幅を広げられる事務所と出会ったが、うやむやになり縁が切れた。モデル活動をしていたときのように、俳優の仕事も一人でできると思っていたユ・ミンギュは、1年ほど作品のオーディションを受け、劇団も探してみたが、思っていたほど世間は甘くなかった。1年ほどモデルとしての経験を積んだころ、ユ・ミンギュは「モデルを始めたからには、モデルとしてトップにならなきゃ」という覚悟を固めた。
俳優への夢は心の片隅に留め、モデルとしてファッションショーのステージに立っていたある日、バックステージで出番を待っていたユ・ミンギュのもとに、俳優イ・ミンギの所属事務所のマネジャーがやって来た。イ・ミンギのマネジャーはユ・ミンギュに「演技をしてみないか」と提案。その一言が、ユ・ミンギュの中に眠っていた「俳優になりたい」という欲望を目覚めさせた。イ・ミンギのマネジャーの勧めで、ユ・ミンギュはオーディション番組『イケメンキャスティングOh!boy』に出演することになり、この番組で優勝を果たし、俳優としてデビューした。
いい人たちと出会い、幸運の連続だったユ・ミンギュの人生で、誰よりも輝く存在は、父親のような1番上の姉と、母親のような3歳違いの2番目の姉だ。「2番目の姉は、母よりも僕を管理したがる。今は韓国にいないが、一緒に暮らしていたときはひどかった。逆に、1番上の姉は僕がやりたいことができるよう放っておきながら、ご飯も用意しておいてくれるタイプ」
彼がモデルを始めたことも、自分の支えになってくれた頼もしい一番上の姉の影響が大きかった。ソウル芸大で再び演出の勉強をし、約7年の留学生活を終え、先日帰国した姉はたった一人の弟がモデルをしていたときから、いつか演技をするだろうと思っていたようだ。「もし、僕が学校に通っていたり、将来に対する明確な計画があったら、“モデルの仕事をしてみたら”という姉の提案を断っていたと思います。そのときは、“僕には何ができるのだろうか”ということを悩んでいた時期でしたが、姉が全部準備をしてくれたので、誠意を見せようと、やってみたモデルの仕事が偶然はまったんです」
演技を始めるときは、漠然と「面白そう」「一度やってみたい」という気持ちだったが、今は演技ができなければ死んでしまうかもしれないという気持ちだけ。最近終了したドラマ『輝くロマンス』(2014年)の前半は出番が少なく悔しいという思いだけで、監督の期待に応えられなかった。しかし「感覚もいいし、いい俳優になれるのに、なぜ努力をしないんだ」という監督のアドバイスに、自分を振り返ると同時に慰められた。
「監督との電話を切ってから、出番が少ないと愚痴をこぼすのではなく『少ない出番でもうまく演じれば、僕のキャラクターのストーリーが増えそうだな』と思った。中盤から後半は、演技についての悩みもそれなりに多くなり、準備も徹底して行った。そうしたら、監督とスタッフからほめられた。『ベテランの先輩たちも、僕よりもっと努力をしたからこそ、その地位にいるんだな』ということを『輝くロマンス』に出演して気づいた」
ユ・ミンギュは俳優活動を始めてから今まで、演技のレッスンを受けていない。演技のレッスンを受けないのには、本来の自分を正確に把握し、自分の良さを自ら探すという固い意志があるからだ。もちろん、『輝くロマンス』で母親イ・テリ役を演じた女優キョン・ミリのように素晴らしい先輩たちと出会い、お金には変えられない貴重な演技レッスンを受けた。
「今回の作品にキョン・ミリさんがいなかったら、本当に大変だったと思う。僕がうまくできない部分は、キョン・ミリさんがお手本を見せてくださり、ためになる話もたくさんしてくださった。だから、クァク・チミンさんよりお母さん(キョン・ミリ)の方が好きだと言うくらい。キョン・ミリさんともう一度共演したい」
ハンサムなルックスは視聴者を一度惑わすことができるが、秀でた演技力は俳優をしている限り、ずっと観客を魅了できる。誰かにとっては見ているだけでもほほ笑ましいイケメンのユ・ミンギュは、スターという枠に閉じ込められることを望んでいない。舞台『如月ミキちゃん』(2013年)、同性愛を描いたオムニバス映画『ワンナイト・オンリー』(2014年)などさまざまなジャンルに挑戦し、真の俳優になることを夢見るユ・ミンギュは、瞬間的な人気ではなく、中身の充実を図ることに全力を注いでいる。「ユ・ミンギュといえば、演技のうまい俳優」という好評が相次ぐ日が、一日も早く来ることを期待したい。
チャン・ウンギョン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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