2012/10/19 18:16
映画『建築学概論』やドラマ『太陽を抱く月』に出演、今年最高の1年を過ごした人気女優ハン・ガイン。
子犬のようなクリクリした目、黒く大きな瞳、スッとした鼻で「韓国のオリビア・ハッセー」と呼ばれているハン・ガインは、1982年の旧暦2月2日にソウルで生まれた。
2002年のデビューまでは平凡な少女だった。もちろんルックスは人並み外れていたが、ほかのタレントのように子どものころから雑誌・CMモデルをした経験はなく、一般の人々と同じように小・中・高校を卒業、偶然スターの道を歩むようになった。
その偶然とは、高3のときに高校入試改革の「高校平準化」に関するニュース取材でインタビューを受けたこと。ニュースを見た複数の芸能プロダクションがこぞってスカウトしたが、 すべて断り大学進学を目指した。
そして受験勉強に励み、01年に慶煕大学ホテル観光学部に入学。大学生になってから本格的に演技の勉強を始めた。
韓国一の人気女優の道を一直線に歩んでいるハン・ガインだが、驚くことにデビューはドラマでも映画でもなく、お笑い番組だった。
2002年の『コメディータウン』という番組がそれ。コント・コーナーでお笑いタレントのユ・ジェソク、イ・フィジェに好意を寄せられる女子大生役で出演、ロングヘアで純真そのものの女性を生き生きと演じた。
同年、初CMとなるアシアナ航空のCMにキラキラ輝く魅力を持つキャビンアテンダント役で登場、大きな話題を呼んだ。15秒ほどの短いCMだったが、ハン・ガインが持つ清潔感漂うノーブルなルックスは、視聴者の視線をさらうのに十分だった。
ドラマは『太陽の誘惑』(02年)の端役で出演。その後は『黄色いハンカチ』(03年)でその年のKBS演技大賞新人賞を受賞、のちに夫となる俳優ヨン・ジョンフンとこのドラマで知り合い、愛をはぐくんでいった。
04年はハン・ガインの名を韓国中の男性に知らしめた年だった。
映画『マルチュク青春通り』(04年)に出演、オリビア・ハッセーそっくりの容姿で1970年代の女子高生を演じ、この映画で一躍韓流スターになったクォン・サンウと初々しいラブストーリーを繰り広げた。
ハン・ガインはこの映画のヒットでスターの仲間入りを果たし、映画・ドラマ・CMのオファー優先順位「ナンバーワン1」になった。ファンは当然、その活躍に期待したが、ハン・ガインはトップ女優としての活動よりも愛する1人の男性の妻になることを選び、05年4月26日にヨン・ジョンフンと結婚。
結婚後はドラマ『新入社員 Super Rookie』(05年)でMBC演技大賞優秀演技賞を受賞、『Dr.ギャング』(06年)、『魔女ユヒ』(07年)と年に1本のペースで作品に出演したが、ハン・ガイン自身や共演した人気俳優たちの知名度を考えると視聴率が振るわず、同時間帯の他局ドラマと視聴率争いで完敗することが増えた。
特に『魔女ユヒ』は視聴率が伸び悩んだ。その原因を当時の所属事務所が演出家と脚本家になすり付けたことから、逆にハン・ガインが視聴者に非難されることになり、3年間のブランクにつながってしまった。
だが、その3年間にハン・ガインは心機一転。10年にはドラマ『赤と黒』でヒロインを演じ、視聴率では他局ドラマに勝てなかったものの、その作品性と安定した演技力が視聴者や評論家の間で評判を呼んで華麗なるカムバックを果たした。
そして今年は映画『建築学概論』とドラマ『太陽を抱く月』が大ヒットし、ハン・ガインは04年時に劣らぬ人気を再び手にした。
最近のインタビューでは「自分の容姿や演技力が比較されることが多くて傷付きましたが、演技で認められたいという気持ちよりも全体的な印象がいいと思って選んだ作品の方が視聴者や評論家からの反応も良く、それに伴う形で演技も褒めていただければとても幸せです」と語っている。
長年ささやかれてきた演技力を疑問視する声を振り払い、新たな作品に向けて備えているハン・ガインは、演技を生業とする女優であるだけでなく、そのスケジュールの合間に家事もこなす結婚8年目の主婦であり、仕事と今後の出産・育児の間で悩む30代初めの普通の女性でもある。
つらい経験を乗り越え、仕事と家庭を両立させようと全力を尽くすハン・ガインの今後の活躍に期待したい。
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イ・デドク記者
朝鮮日報日本語版
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