テーブルの上には「フランKEY」弁当、「フランKEY」タオル、「フランKEY」キャンディーがたくさん並んでいた。これらは全て、ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』に出演するSHINeeのKEYのためにファンたちが準備したものだ。今月5日、ソウル市中区にある南山創作センターの練習室では、制作陣が「フランKEY」弁当を食べながら、熱心に練習に打ち込んでいた。主人公を演じるKEYは、優し..
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▲今月5日、南山創作センターの練習室で『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の主役の1人、SUPER JUNIORのキュヒョン(写真右から2番目)が、ダンスと歌のレッスンに励んでいる。/写真=イ・ミョンウォン記者
テーブルの上には「フランKEY」弁当、「フランKEY」タオル、「フランKEY」キャンディーがたくさん並んでいた。これらは全て、ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』に出演するSHINeeのKEYのためにファンたちが準備したものだ。今月5日、ソウル市中区にある南山創作センターの練習室では、制作陣が「フランKEY」弁当を食べながら、熱心に練習に打ち込んでいた。主人公を演じるKEYは、優しいながらも厳しい指導を受けていた。「お前、KEYの偽物だろう? それで精一杯の声か?」。指示を出しているのは、演出家のワン・ヨンボム氏(38)=写真=。「アイドル俳優トレーナー」として有名なワン氏は『ジャック・ザ・リッパー』『三銃士』など、原作を上回るレベルのライセンスミュージカルを相次いでヒットさせた「リメーク専門」の演出家だ。分かりやすく軽快なワン氏のミュージカルは毎回、空席が見当たらないほど観客が入る。『三銃士』は累積観客動員数24万人、『ジャック・ザ・リッパー』は同15万人に達した。収入は相当な額になるが、その分批判も浴びる。
『キャッチ・ミー』は、主役のフランク役に5人(オム・ギジュン、パク・クァンヒョン、John-Hoon〈キム・ジョンフン〉、キュヒョン、KEY)を抜てきしたことで話題と批判を同時に集めた。立て続けにヒット作を世に送り出してもインタビューに応じることのなかったワン氏が、今回のミュージカルについて口を開いた。
-あまりに大人数のキャスティングで、ミュージカル市場を揺るがせているとの批判が出ているが。
「どうしてシングルキャストやダブルキャストでやらないのかというと、さまざまな観客に見てもらうために回数を増やした結果、大人数のキャスティングにせざるを得なくなったからだ」
-主役が5人いるが、作品のレベルが毎回バラつくようなことはないか。
「主役の5人以外の配役はダブルキャストにして安定性を高めた。それもイ・ヒジョン、イ・ジョンヨル、チョン・スギョンらベテランがそろっている。出演する俳優の授賞トロフィーを合計したら、ミュージカル作品の中で最多になるはずだ」
-アイドル中心のキャスティングで、ミュージカルのレベルを落としているとの批判もある。
「アイドルはミュージカルに出てほしくないという意見もある。そうした意見は尊重する。だが、見たいという観客がいるという点も尊重しなければならない。アイドル中心のキャスティングは、ミュージカル市場が発展するために必要なことだ。SUPER JUNIORやSHINeeは、未熟ではあるが数万人もの観客の前で公演を行った、準備された新人だ。従来の俳優とは異なるエネルギーを持っており、作品に活気を吹き込むことができる。ただ、アイドルが出演するからといって観客が必ずしも多いわけではない。面白くなければ見ない。キュヒョンも『三銃士』のときは観客の入りが良くなかった。上手になったから観客が見にくるようになったのだ。興行力のある俳優が出演するのは、ミュージカル市場のためにもいいことではないだろうか」
-アイドルを抜てきする際の基準はあるのか。
「キャスティングの前に必ず人柄を確認する。チームの中で一人だけ目立とうとするタイプは、たとえ人気があっても使わない」
-複数の主役一人一人に合わせて練習をしなければならないため、アンサンブル(主役以外の大勢の出演者)が酷使されているとの話だが。
「本来、仕事とは大変なもの。だからこそ仕事なのだ。アンサンブルに対しては『せっかくやるんだから、楽しくやろう』と励ましている。もちろん、キャスティングの際に、アンサンブルに配慮できる性格の俳優を主人公に選ぶのは基本だ」
-アイドルを俳優に育て上げる秘訣(ひけつ)は何か。
「最も重要なのは、よく観察すること。どんな魅力を引き出すことができるのか、注意深く観察する。数日間にわたり3時間しか寝られなかったこともある。あらかじめ課題を与えて勉強させるには、私が先に研究しなければならないため、それは仕方がない」
-28日に開幕するミュージカル『キャッチ・ミー』の魅力は。
「『キャッチ・ミー』は、米国以外では韓国で初めて公演する。一つの人生しか生きられない普通の人々に、逸脱という刺激的な感覚を与えてくれる作品だ。衣装は500着以上も使用する。ブロードウェーのミュージカルらしい楽しさが最もよく感じられる作品だと思う」
シン・ジョンソン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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