若い俳優だからといって全員が「青春スター」になれるわけではない。韓国で青春スターといえば、全身で「若さ」を叫びながら反抗し、世の中をはすに構えて見ているような存在だ。青春スターは中堅俳優のスターとは違って自由奔放で、ストレートなキャラクターの持ち主でもある。ジェームズ・ディーンやリバー・フェニックスのように。
映画『ワンドゥク』(イ・ハン監督、20日公開)の主演ユ・アイン(25)にソウル市鍾路区..
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若い俳優だからといって全員が「青春スター」になれるわけではない。韓国で青春スターといえば、全身で「若さ」を叫びながら反抗し、世の中をはすに構えて見ているような存在だ。青春スターは中堅俳優のスターとは違って自由奔放で、ストレートなキャラクターの持ち主でもある。ジェームズ・ディーンやリバー・フェニックスのように。
映画『ワンドゥク』(イ・ハン監督、20日公開)の主演ユ・アイン(25)にソウル市鍾路区のカフェで会った。彼の口からは「憂うつ」「苦痛」「絶望」といった言葉や、ストレートで赤裸々すぎて紙面に書けないような言葉が何度も飛び出した。記者が驚いた顔をすると、ユ・アインは「僕が正直すぎて驚いた? 最近はみんな『いい子じゃなくてはいけない病』にかかっている気がする。僕はいい子ぶったりしない」と言った。これこそ「青春スター」だ。
ユ・アイン演じるワンドゥクは、問題児の条件がすべてそろっている10代の男子。ワンドゥクは背骨が曲がっている父(パク・スヨン)、知的障害を持つ叔父(キム・ヨンジェ)と一緒に生活保護を受けて暮らしている。ワンドゥクは父と叔父を「不具者」と侮辱する人々に容赦なく殴りかかり、警察署に行く。ユ・アインは「ワンドゥクは勉強ができないだけで、模範的な生徒。大人たちがゆがんでいるから反抗するしかない。それもびくびくと。早熟だけれども、カッコ良くはない問題児を表現したかった」と言った。
ワンドゥクは自分を執念深くいじめる担任教師ドンジュ(キム・ユンソク)を憎む。ドンジュはワンドゥクにキックボクシングをさせ、フィリピン人の母を探してやることで、彼を世の中に導いていく。同名の小説を元に映画化されたこの作品は、ドラマチックな事件がないまま、淡々とストーリーが流れていく。事件がない代わりに何だかんだとぶつかり合うドンジュとワンドゥクの演技アンサンブルがこの映画の核心だ。ユ・アインは「キム・ユンソク先輩とのやりとりや呼吸が重要だった。先輩が脇腹や後頭部を殴り、僕がそれに反応をする演技が中心だった。先輩は投げかけるのも受け止めるのも上手なので楽だった」と話す。
「25歳にしては制服がよく似合う」と言うと、彼は目を丸くして声を上げ「25歳にしては?」と問い返した。そして、「25歳にしてはよく似合うなんていう程度じゃなくて、僕は本物の高校生よりも制服が似合うでしょ? もともと制服が好きだし、制服を着た自分の姿を見てもなかなかいいと思う。『ワンドゥク』に出たかったのも、10代に対し愛着があり、彼らを代弁したかったから。その時期に対する物足りなさがあるから、自分の過去も癒やしてやりたかった」と言った。
ユ・アインの人はソウル美術高校を中退し、大学入学資格検定試験を経て大学に通ったため、一部マスコミは「俳優をやるために自主退学までした」と報じた。彼は「『どうして学校に行かなければいけないのか、これは自分で選んだ道ではないのに』と思った。その時まで演技をしたことがなかったので、演技の味を知っているはずもなかった。演技のために学校をやめたわけではない」と言った。その理由を「僕は演技がしたいと思ったのではなく、ただ芸能人になりたいと思っていたそうした世代の1人。何かを作り出し、有名になる芸能人がかっこよく見えたのだと思う」と説明する。
昨年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で「コロ」という役を演じ、ユ・アインは「コロ病」という新語を生み出すほどブレークした。しかし、ドラマ終了後に出演したケーブルテレビチャンネルのリアリティー番組でタメグチで話したり、キレたりするなどして話題になった。「インターネットの検索ウインドーに『ユ・アイン』と入力すると、関連検索語に『ユ・アイン サガジ(トンデモ野郎)』と出てくる。それが僕の姿であるのは事実。若干の誇張やオーバーなところはあったけれども、僕の性格の一部だ」と認めた。「一部のファンは僕を擁護しようと『台本に出ていたとおりにしただけ』と言ってくれたけど、誰かがそうさせたわけではない」という。「一つの評価を受け、一つの単語で表現されるのはイヤでしょ。『あいつ何なんだ?』『あいつ何やるんだ?』と気にしてもらいたい。カッコ良さそうにしていながら悪人になったり、ラブストーリーを演じていながら殺人鬼になったりもするんです」
ユ・アインは人前で自分の姿を隠したりしない。彼は写真を撮ろうとするファンの姿を逆に撮ったり、ブログやツイッターに長文を頻繁に掲載したりする。「『自分を閉じ込めるか、立ち上がるか』をめぐり、自分の中で闘っている。部屋の中に引きこもってもみたけれど、やっぱり僕は認められたいし、見せたがりだし、人とコミュニケーションもしたい。だから絵も描くけれど、僕の体に一番よく合っていて、本能的にできるのは演技。こんなことしていて、いつまたやられるか分からないけどね」
ピョン・ヒウォン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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