おしゃれな人は大抵おいしいものもよく知っている。メイクアップアーティストのパク・テユンは以前から「料理をする男」として知られていた。いろいろなたれを使う複雑な味の料理よりも、旬の食材を市場でしっかり選び、簡単だがおいしいものが得意だった。焼き魚を出すときはカレイなどをオーブンやフライパンにオリーブオイルを少々入れて焼き、バターで炒めたほうれん草を添え、最後にレモン汁をさっと振りかける、というように。来客に提供すると、皆から「お店を出すべき」と言われた。いろいろ悩み、試行錯誤の末、パク・テユンは先月、ソウル市城東区聖水洞に韓国料理とワインを提供する小さな店「ソウルリアン」をオープンした。普段、パク・テユンが家で友人たちと一杯やったり一人で酒を飲むとき、手軽に作って食べていたようなものがつまみとしてテーブルに出される。メニューは旬のホタテやカキ、ハイガイなどを少しずつ盛り付けたシーフードプラッター、ご飯にのせてのりで包んで食べる卵煮、羅州産韓牛(韓国伝統の肉牛)の燻製の薄切りなど。パク・テユンは「特異なメニューを出そうとするより、家で食べるご飯のように慣れ親しんだものを主に出しているが、ディテールに少しずつ趣向を凝らしている」と語った。魚の横に焼いたネギとレモンを、肉の横にはキムチではなくルッコラを置くというように。刻んだニンニクに生姜汁と塩を振りかけたものをさっと乾かし、臼でついたものを肉に振りかけて「香り高い塩味」を出すことも忘れない。

 ファッションに敏感な人たち、いわゆる「ファッションピープル」が営む食堂や居酒屋が続々と登場している。ソウル市鍾路区にある「ラクープ」は元記者、ワインマーケター、フローリストの女性3人が意気投合してオープンした店。酒精強化ワインなど専門的な酒や簡単なつまみを注文することができるほか、入場料を払い、好きな酒や食べ物を持ち込んで自ら調理し、バーを利用することもできる。日曜・月曜は休みで、毎日オープン時間が異なるため、写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」などでチェックする必要がある。

 ソウル市内の鐘閣、仁寺洞にあるコンビニエンスストア「GOINGMARY」はANDY&DEBBのデザイナーであるキム・ソクウォン、SGダインヒルのパク・ヨンシク代表、元米国大使館職員のパク・リアン副代表らがタッグを組んだ「オクトッキ・プロジェクト」が運営している。「感性コンビニエンスストア」という名前にふさわしく、コンビニエンスストアながら簡単でいて独特なメニューを販売している。濃厚な貝スープ味ラーメン(3900ウォン=約390円)、牛肉ステーキ(約1万5000ウォン=約1500円)などをつくって出しており、数カ月前には映画『パラサイト 半地下の家族』に登場しているように韓牛をのせてつくった「パラサイトチャジャンラーメン」や「からっとプルコギ(韓国風すき焼き)」のようなメニューを提供。有名なグルメブロガー「秘密だよ」が選定したワインなども一緒に楽しむことができる。ジュエリーデザイナーのパク・ヘラも聖水洞に「セチョン131」というカフェ兼バーをオープン。チーズやナッツなどを盛り付けたチーズプレートやワイン、スパークリングワインなどを販売している。

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