先日、ドーナツチェーン「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が辛い味が特徴のドーナツ「辛いオリジナル」を発売した。甘いだけだと思われていたドーナツに細かく刻んだハラペーニョを入れ、辛い味付けにした商品だ。トッポッキ(餅の甘辛炒め)くらい辛いこのドーナツは、若者たちから人気を集めている。クリスピー・クリーム・ドーナツ側は「辛い料理を好む韓国だけで販売されている商品。辛い味を求める顧客が多く、このトレンドが続くと見込んで、商品を開発した」と説明している。
 

 辛いものがよりいっそう辛味を増し、また多様化している。ドーナツだけでなく、カプサイシン味のキャンディー、からし味のクッキーが登場し、辛い青唐辛子味の調味料もある。フライドチキン業界では、「最も辛そうに見える」名前を付けようという争いが激しい。トレオレは「リアル・ホット・ヤンニョムチキン(たれで味付けしたフライドチキン)」、ネネチキンは「ショッキング・ホット・ヤンニョムチキン」、ペリカーナは「ホット・ダブル・チキン」というように、名前を聞いただけでも口の中がヒリヒリするような商品を売り出している。三養食品は2012年に発売した「プルダック(激辛鳥料理)ビビン(混ぜ)麺」の人気を受け、その倍辛い「核プルダックビビン麺」を今年1月に発売。同商品はその後3カ月で800万個売れた。10年前に辛いラーメンの第一人者だった農心の「辛ラーメン」をスコヴィル値(唐辛子の辛さを計る単位)で表すと2700だが、「核プルダックビビン麺」は8706。三養食品では「プルダックビビン麺より辛いラーメンを作ってほしいという消費者からの要請が多かった」とコメントしている。1滴でも極限の辛さを出すことができるカプサイシンソースの販売量も、毎年増加傾向にある。カプサイシンソースの売り上げ1位のチョンウ食品によると、販売量は2014年に33万キロだったのが昨年には38万キロへと約15%増えたという。チョンウ食品の関係者は「3年前には食品メーカーや食堂で大量注文するのが一般的だったが、最近ではインターネット通販で注文する個人消費者も増えている」と語った。

 円光大学食品栄養学科のイ・ヨンウン教授は「一度ピリッとした刺激を味わうと、それよりさらに強い刺激、辛い味を求めるようになる。辛いものを食べるとストレス解消になると考える人が多いが、むしろ辛味が中毒になり、食材の味を感じられなくなるのではないかと心配している」と語った。

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