「シリアル専門カフェ」が人気だ。「忙しい朝、ご飯の代わりに食べるお菓子」程度に考えられていたシリアルが、20-30代にとっては1食分の食事であり、トレンディーな日常になっている。大型―スーパー「イーマート」のシリアル売り上げは前年同期に比べ2016年は23.5%、今年第1四半期は29.7%アップし、今も増え続けている。朝食としてだけでなく、昼食や夕食用として、若いサラリーマンや学生たちが買い求めているという。

 韓国でシリアルが生産されるようになったのは1980年代。海外のブランド「ケロッグ」が韓国の農心と手を組み、1983年にコーンフレークを発売。当時は「食事のときはご飯を食べるべき」という固定観念が根強く、あまり売れなかった。90年代半ばになり、朝食を抜いてしまいがちな子どもたちの食事の代用品として広く知られるようになり、大衆化し始めた。

 シリアル専門カフェでは1皿6500ウォン(約650円)ほど。サラリーマンのランチ1食分ほどだ。60-70グラムのシリアルにドリンクやトッピングを加えれば、ご飯1杯(300キロカロリー)より多い400キロカロリー。

 シリアル専門カフェブームは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に写真をアップすることを楽しむ若い世代の好みとも深い関わりがある。 写真共有SNS「インスタグラム」でシリアル専門カフェを検索してみると「写真がきれいに撮れるカフェ」「口より目で楽しめる場所」など、写真だけで2000枚以上になる。

 シリアル専門カフェは2014年12月、英国ロンドンで誕生したという。数百個のシリアルケースが並んだ珍風景がSNSで広まり、話題になった。韓国初のシリアル専門カフェといわれるソウル市江南区の「ミッドナイト・イン・ソウル」は、ファッションモデルや芸能人たちが訪れ、写真をアップしている場所として有名。済州道にある「レターズ・トゥ・シリアル」は、ウエディングドレスをレンタルして写真を撮りながらシリアルを楽しむことができる。

 「ウェルビーイング・ファンシー・外国」というトレンドを反映している、という分析もある。文化評論家のハ・ジェグン氏は「外国製の商品を好み、どうせ食べるならファンシーな場所で健康食を食べたいという20-30代の心理をうまくとらえている」と語った。

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