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水面を彩る光の饗宴「南江流し灯籠祭り」
漆黒の闇に包まれた慶尚南道・晋州。街を取り囲むように流れる川「南江」の水面(みなも)に色とりどりの明かりが揺れ始めた。悠々と流れる川に身を任せた灯籠(とうろう)の数々は幻想的なムードを醸し出す。
こうした光景は、毎年10月の「南江流し灯籠祭り」でしか見られない貴重な光景だ。
今月1日に始まった祭りは「水・火・光、そして私たちの願い」をテーマに13日まで晋州城や南江一帯で繰り広げられる。
「南江流し灯籠祭り」は2006年から10年まで最優秀フェスティバルを受賞したほか、11年から3年連続で韓国を代表する祭りに指定された。さらに、12年には世界国際フェスティバル&イベント協会(IFEA world)から金賞三つと銅賞一つを贈られるなど、国内外で実績が認められている。
そうしたことが全て納得できるほど、祭りが始まるかなり前にもかかわらず、一帯は観光客で大変なにぎわいを見せていた。
祭りの前に見物したのは、晋州で一番有名な観光スポット「晋州城」だ。晋州城は米国CNNのトラベルガイド総合サイト「CNN GO」が選んだ「韓国で絶対に行くべきベストスポット50」に入った所で、見逃せない名所だ。
ここは壬辰倭乱(文禄の役)時の激しい戦場として知られており、妓生(キーセン)の論介(ノンゲ)が日本の武将を抱きかかえたまま南江に身を投げたことでも有名だ。このため、単なる観光ではなく歴史学習や体験も同時にできる。
トンネルを通り抜けると南江に浮かぶ灯籠が目の前に広がっていた。韓国の伝統的な灯籠はもちろん、米国・日本・ロシア・インド・タイ・エジプト・スペインなど世界各国の灯籠が水面に揺れる。市民たちが願い事を書いて浮かべた灯籠は、時間がたつほどに華やかな輝きを増していった。
川に沿って歩けば、向こう岸には明るく照らし出された晋州城も見える。今年は「韓国の風習」をテーマに約1000以上の灯籠が流された。いつもの晋州城の姿も魅力的だが、流し灯籠に囲まれた晋州城はひときわ美しく見えた。
灯籠をもっと近くで見るには、南江に架かる「愛の橋」や遊覧船がオススメ。愛の橋は合計4カ所あり、恋人と一緒に橋を渡れば愛が永遠のものになり、友達と一緒に渡れば友情が深くなるとか。家族と一緒に渡れば家族愛がいっそう大切に感じられるようになるという。
特に、橋を渡る時は流し灯籠の間を泳いでいるような、あるいは川の上を歩いているような気分になれる。観光客に人気の遊覧船は、昨年2隻から3隻に増やされており、より近いところで流し灯籠を楽しむことができる。