【ソウル聯合ニュース】韓国ドラマ界で人気作品の続編制作が話題となっている。
 地上波のMBCが「宮廷女官チャングムの誓い」の続編制作を明らかにしたのをはじめ、現在放送中のMBC「ゴールデンタイム」とケーブルチャンネルのtvN「応答せよ1997」もシリーズ化や続編の検討に入った。しかし、これらの続編が成功を収めるかは未知数だ。
◇続編の議論は始まったばかり
 最近続編の話が持ち上がっているのは、放送局の意向と視聴者のニーズがマッチしたからだ。
 韓流ブームの先駆けとなった「チャングムの誓い」の続編は、MBCが野心的に取り組む企画だ。金在哲(キム・ジェチョル)社長が先ごろ訪中し、2005年に「チャングムの誓い」を中国で初めて放送した湖南衛星テレビと続編の放送協力案を協議し、同局は17日、続編の制作予定時期を来年と表明した。
 しかし、実現に至るかは不透明だ。前作を手掛けた脚本家は引き受けると回答しておらず、演出家も来年上半期まで別のドラマにかかわっている。キャストについても、女優のイ・ヨンエが引き続き主演するか定かでない。同局のドラマ本部長は「来年制作がわれわれの希望」としながらも、時期は未定だと、慎重な口ぶりだ。
 MBCの「ゴールデンタイム」は、続編に関しまだ具体的な動きはない。ただ、視聴者からは続編を求める声が高く、MBC側も「トラウマ(心的外傷)を扱う医療ドラマという点でブランドパワーを確保している。シリーズ化をしない理由はない」と制作に前向きな姿勢を示す。
 18日に最終回を迎える「応答せよ1997」の場合も、関係者は「続編を前向きに検討している」と話す。
 一方、KBSは早ければ年末、青少年ドラマ「学校」を10年ぶりに復活させる。1999年にスタートした同ドラマは、チョ・インソンやチャン・ヒョク、チェ・ガンヒ、コン・ユ、イム・スジョンら多数のスターを輩出した。2002年にシーズン4まで制作された。
 今回、教育科学技術部が校内暴力の予防策の一つとしてKBSに制作支援の意思を示したことから、ドラマ復活に至った。
◇韓国式のドラマシリーズ
 ただ、ここまで言及したドラマは、厳密にはシリーズと呼びがたい。米国の人気ドラマシリーズは基本的に主人公が同じで、違う主人公ならばスピンオフと呼ばれる。一方、韓国での続編やシリーズは主人公が変わるケースが多く、スピンオフまで含む概念とみなせる。
 それでも、ヒットした前作のモチーフや設定を基に新たなストーリーを紡ぐという点で、最近のシリーズ制作の動きは従来のドラマ制作と差別化を図るものといえそうだ。

◇前作を上回るか
 韓国式のドラマシリーズは、ヒットした前作の威光に頼るところが大きい。しかし実際に、地上波の続編で前作を上回る成功を収めたケースはほとんどない。
 今年放送された「ドリームハイ2」は平均視聴率が1桁にとどまった。「IRIS-アイリス-」続編にあたる昨年の「ATHENA-アテナ-」も、初回の視聴率が最も高く、その後は下降線をたどった。
 そうした中、「学校」はまずまずの成功例だ。KBSのドラマ局長は「シーズン2を成功させるには、基本コンセプトを維持するだけでは不十分だ。前作の足りなかった部分を補う一方で、成功要因を受け継いでいかなければならない」と説明する。前作の主要制作陣が抜けて新たなチームが制作を担当すれば、ノウハウ発揮が難しいという。
 一方、主要キャストを変えていないケーブルテレビのドラマの中には、安定した人気を見せる作品もある。「ブッとび!ヨンエさん」はシーズン8まで視聴率を伸ばし続けた。今月放送が始まった「ヴァンパイア検事2」も好発進した。
 ケーブルテレビのドラマは、地上波に比べキャストのスター依存度が小さい。tvNのコンテンツ企画局長は「スターよりはキャラクター中心でドラマを引っ張っていくため、シリーズものの制作に有利」と話す。
 シリーズ化を難しくする要因として、キャストと制作陣の変動以外に、タイトな撮影スケジュールや放送回数の延長などのドラマ制作環境が挙げられる。
 地上波関係者は「韓国はトレンドがあまりにも早く変わり、急いで制作されるため、シリーズ成功の可能性が下がるしかない」と指摘した。

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