スターインタビュー
インタビュー:チェ・ミンスを支えた妻の内助の功
「1日は主人(チェ・ミンス)の誕生日だったんです。この1年間の出来事が走馬灯のようによみがえりました」
2008年5月1日を思い出すと、カン・ジュウンさんは今でも胸が痛いという。「情に弱い」夫チェ・ミンスのため、毎年パーティーを開いていたが、今年は知人たちにメールを送っただけだった。「今日は主人の誕生日です。温かい言葉を一言だけでもかけてあげてください」と。
チェ・ミンスは当時、「70代の老人暴行事件」で世論の非難を浴びていた。まるで暴行や脅迫、すべての出来事が既成事実であるかのように容赦なく膨れ上がり、チェ・ミンスは山ごもり生活を始めた。
それから1年。長い心の病を経て、映画『Serpent Rising』の撮影に入ったチェ・ミンスを目の前で見守る妻の心境はどうだろうか。
「とても胸が痛かったです。でも主人を信じています。自分で心の痛みを克服するはずだと確信していました」
あるアンケート調査によると、当時の事件を知っている国民の30%だけが無罪判決が出たことを知っているという。うわさが広がっていく中で1年を送ったチェ・ミンスにとって、誰よりも大きな力になった妻カン・ジュウンさん。カンさんは今回、チェ・ミンスが『Serpent Rising』にキャスティングされる過程でも大活躍をした。米国側と意見調節する上で言語的、文化的壁がないカンさんの役割はとても大きかった。
「初めは反対しました。いつかは演技を再開すると思っていましたが…。米国映画で復帰するという点が悩みでした。結局、クランクインを延ばしてまで待ってくれた制作陣の誠意に心が動かされたのです」
事実上約2年ぶりの復帰だが、文化的な違いが大きい撮影現場に適応できるか、心配が先に立った。
しかし、3月に米国行きの飛行機に乗ったチェ・ミンスは、予想より早くスタッフたちと親しくなった。意思疎通に大きな問題がないのはもちろん、ニュアンスの違いまでも正確にキャッチし、気兼ねなく冗談も交わす。カナダ育ちのカン・ジュウンさんとの16年の結婚生活のおかげだ。
それでもカン・ジュウンさんの応援が一番の特効薬。ソウル外国人学校の対外協力開発理事などとして、活発に対外活動を行っているカンさんは、何とかやりくりして時間を作った。パワーウーマンであると同時に「内助の女王」でもあるカンさんは、ハードなスケジュールを調整し、先月30日に米国行きの飛行機に乗った。そしてラリー・リギンス監督とともに、事前に完ぺきなサプライズパーティーを準備した。
「米国に到着するなり(チェ・ミンスに)電話をしました。韓国での仕事が忙しく、行けそうにないと。寂しそうに電話を切りました」
しばらくした後、カン・ジュウンさんはウエイトレスになりすまし、チェ・ミンスに飲み物をサービングした。後で気付いたチェ・ミンスは感動の涙を流したという。
「撮影現場での主人は、とても自由でのびのびしているように見えました」というカン・ジュウンさんは、「2009年5月は、1年前とは180度違う思い出として、わたしたち家族に記憶されることでしょう」と言いながらぱっと笑った。