2005年も気がつけば師走の足音が聞こえる時期がやって来た。そんななか、放送業界でも1年の締めくくりに向け動き出した。

 12月が近づき、視聴者の関心の的は今年1年のお茶の間を涙と笑いの感動に包んだ主人公らが、年末の授賞式でどんな賞を受賞するかにある。

 各放送局が1年でもっとも優れた演技者を選ぶ演技大賞授賞式は、選定基準のあいまいさや共同受賞の乱発などで大衆の信頼に欠けるという指摘を受けてきたのは事実だ。それにもかかわらず、お茶の間に華やかな彩りを提供したスターたちが一堂に会する楽しみと、誰がどんな賞を取るのかに対する好奇心と期待感は、常に視聴者をわくわくさせる。


◆MBC、「スン」フィーバーは年末授賞式でも

 かつてはドラマ王国の異名で呼ばれたMBCが最低視聴率を記録するなど、不名誉な事態に陥っていた中、サムスンとクムスンという2人の「スン」によってなんとか体面を保った。全般的に不振であったなか、キラリと光るいくつかのドラマのおかげで受賞者を占うことも容易になった。

 50%を超える視聴率で一躍国民的ドラマとなった『私の名前はキム・サムスン』のキム・ソナの活躍が断然際立っていた。5年ぶりにドラマ復帰を果たしたキム・ソナは、社会や経済、文化全般に至るまでサムスンシンドロームを巻き起こし、韓国最高のロマンティックコメディ女優に台頭した。その上、役作りのために体重を増やすなど、女優として勇気ある決断を下した彼女の根性にも高い評価が集まっている。

 サムスンのように社会現象を引き起こすまでは至らなかったものの、クムスンの活躍もまた輝いていた。『頑張れクムスン』のハン・ヘジンは40%に迫る高い視聴率でドラマを引っ張り、今回のドラマを通じ演技者として確固たる地位を築いた。ハン・ヘジンはほぼ10カ月に渡る撮影期間と過密スケジュールを強いられる連続テレビドラマの主人公であった点で、高く評価されている。


◆KBS、主婦の底力VS将軍の威厳

 KBSは他の放送局を圧倒する大作が多かっただけに、最高の演技者を決める大賞の選定にも例年になく困難な状況だ。

 現在のところ、大賞受賞者は『バラ色の人生』の崔真実(チェ・ジンシル)、『父母様前上書』の金喜愛(キム・ヒエ)、『海神』のチェ・スジョン、『不滅の李舜臣』のキム・ミョンミンら4名に絞られる可能性が高い。

 崔真実(チェ・ジンシル)はこれまでの洗練されたイメージを捨て、がむしゃらに生きる主婦へとイメージ・チェンジに成功した。夫に捨てられ、ガンと闘う彼女の真に迫った演技は、視聴者の涙腺を刺激し、心をつかんだ。特に崔真実(チェ・ジンシル)は、『ばら色の人生』が他のライバル作に比べてもっとも最近に放送を終えたため、視聴者の共感もいっそう高いという強みがある。

『海神』のチェ・スジョンは不惑を超える年齢にもかかわらず、20代に負けない覇気と情熱で、派手なアクションはもちろん、時代劇として安定した演技を見せている。40%を超えるドラマの人気と過酷な海外ロケ、危険をものともしないアクション演技などを総合的に評価すると、崔真実(チェ・ジンシル)との接戦が予想される。

 また、金喜愛(キム・ヒエ)はKBS週末連続劇場『父母様前上書』で自閉症の子供を育てる主婦ソンシル役で好評を得て、主婦の底力を見せつけた。キム・ミョンミンは昨年9月から今年9月までの1年間『不滅の李舜臣』に出演し、週末の夜の顔となったことで高評価を得ている。

 特に金喜愛(キム・ヒエ)とキム・ミョンミンは出演作品が昨年から今年にかけて放送されたため、去年の授賞式で賞をもらえなかった。この点が今年受賞の期待をさらに高めている。


◆SBS、霧の中の接戦…誰も予想できず

 SBSの悩みが一番大きいだろう。全般的に一定の成績を収めており、例年以上に安定した1年になったものの、特筆すべきヒット作がない。昨年の『パリの恋人』のような大ヒットの不在が心残りの一年だった。

 視聴率と演技力、人気などを総合すると『プラハの恋人』の全度妍(チョン・ドヨン)が最有力候補に挙げられる。大統領のかわいい娘役を演じ、映画同様に素晴らしい活躍を見せた。

 10年ぶりに『春の日』で復帰したが、ブランクを感じさせない演技をみせてくれたコ・ヒョンジョンも強力な候補だ。しかし、後半に入り視聴者の支持が低下したのが惜しかった。

 『土地』の金賢珠(キム・ヒョンジュ)はミスキャスティングだという一部の非難にも負けず、安定感ある演技で視聴者の共感を得た。また、『グリーンローズ』のコ・スは危険を顧みない演技と抜きん出た感情表現で高い評価を得ている。特に金賢珠(キム・ヒョンジュ)とコ・スは、現在放送されている『百万長者との結婚する方法』で前作とは違った魅力を見せており、注目を集めている。

 また、『不良主婦』の演技で変身を図ったソン・チャンミンの活躍も見逃せないだろう。

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