ここで突然問題。「2003年初めにデビューした女性 4人組ボーカルグループ『Big Mama』が最も多く出演したテレビ番組のジャンルは何か?」

 バラエティー番組?音楽番組?ところが「Big Mama」は普通のアーティストとは「格」が違うのだ。答えは時事番組。外見至上主義が幅を利かせ、整形手術が広がる風潮を批判する度に番組ディレクターは「Big Mama」を呼んだ。芸能人の平均には及ばないルックスだが、歌唱力だけで注目される不思議な存在だったからだ。

 「最初、プロダクションから『Big Mama』という名前だと聞いた時、本当に嫌な気持ちになりました。『これも外見を利用したマーケティングなのか?』と抗議しました」(シン・ヨナ)

 こうしてデビューした「Big Mama」の1stアルバム『Like The Bible』は 40万枚のヒットを記録した。そして2年3か月ぶりにリリースした2ndアルバム 『It’s unique』の勢いは1st以上だった。発売一週間で4万枚のセールスを記録した。

 グループ最年長のシン・ヨナは「どんなジャンルに重点を置くかということは考えず、『Big Mama』だけの特色を出そうと思った。1stに比べて私たちが伝えたいことを更に多くの人に聴いてもらえると思う」と語る。

 イ・ヨンヒョンは「パワフルなイメージばかりが目立っているが、今回のアルバムはキュートで素朴な女性的な面を感じる」と言う。

 「愛したくて愛されたくて、気持ちに多くの変化がありました。歌手として活動しながら、世の中がこんなに険しく、私一人で生きていかなきゃって感じたんです。そんな経験が歌に深みを与えたようです」

 小学生のような童顔をしたメンバー最年少のパク・ミネが真面目な表情でこう語った。現在は同徳(トンドク)女子大学実用音楽科の4年生だ。

 すると同じ学科の先輩、イ・ジヨンが「スタバでバイトするつもりはもうないの?」と大笑いする。照れくさそうに言葉を濁ごすパク・ミネ。「自由に生きたいんだもん…」

 「Big Mama」は今年3月、アルバム発売を予告しておきながら無期延期した。

 「1年以上レコーディングしたが、アルバムの始めから最後までのすべてが同じように聞こえたのでリリースすることが出来なかった」

 そのためメンバーのソロの他に4人が作曲した『結婚しよう』などが追加され、 アルバムはさまざまな顔を持つようになった。

 うねるリズム感に軽快なボーカルが交差する『Again』を除けば全体的に静かな雰囲気。「単調」という評価もあるが、「Big Mama」の選択は「日常と内面の穿鑿」であり、馴染みやすいメロディーを取り入れることも忘れなかった。

 「デビューアルバムを出した時、人々の注目を集める可能性は10%にも満たないと思った。ただ一部マニアの間だけでも支持されるようなグループにならなくてはと思っただけ。メンバー全員の特色があって、ともかく歌が上手だから…。今でも大きな野望でもあるかって?ずっと歌さえ続けられたらそれで十分」(シン・ヨナ)

 プランス人男性と交際中の彼女は「今はとても忙しすぎて結婚する時間もないかな」と照れくさそうに笑った。

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