アイドルオーディション番組 視聴率0%台でも作り続ける理由は?

ガールズグループ、ILLIT(アイリット)はJTBCの「R U Next?」から誕生した(資料写真)
▲ ガールズグループ、ILLIT(アイリット)はJTBCの「R U Next?」から誕生した(資料写真)

【ソウル聯合ニュース】韓国でサバイバルオーディション番組の視聴率が低迷しているにもかかわらず作り続けられている。

 音楽専門チャンネルMnetの「BOYS PLANET(ボーイズプラネット)」、MBCの「少年ファンタジー ~放課後のときめきシーズン2~」、ケーブルチャンネルJTBCの「R U Next?(アーユーネクスト)」、SBSの「UNIVERSE TICKET(ユニバースチケット)」はここ1年間に放送されたサバイバルオーディション番組のうち話題となった番組だが、視聴率はどれも平均0%台で惨憺(さんたん)たるものだった。

 今年1月に放送が終了した「UNIVERSE TICKET」の視聴率は初回(1.1%)を除き0%台が続き、0.6%で幕を閉じた。似たような形式の番組が増えたことで視聴者の関心が高まらず、視聴率も低下したとみられる。

 しかし、サバイバルオーディション番組の制作は続いている。SBSは「UNIVERSE TICKET」の放送終了から約3カ月で、同番組のシーズン2「UNIVERSE LEAGUE(ユニバースリーグ)」を制作すると発表した。今月22日から参加者を募集し、今年下半期に放送する予定だ。

 低視聴率にもかかわらずサバイバルオーディション番組の制作が続けられているのは、番組参加者が試行錯誤を重ねながらアイドルに生まれ変わる過程を紹介することがファンダム(ファン集団)の確保に効果的であるためとの見方が出ている。

 K―POPの人気が世界に拡大したことも影響を与えたとみられる。マニア層に依存するサバイバルオーディション番組は海外のK―POPファンの関心を引く戦略を使う。例えばグローバルオーディションの参加者を世界から募集し、世界のファンの投票を反映して参加者を評価する。

 5月に放送がスタートするKBSの「MAKE MATE 1(メイクメイトワン)はグローバルアイドルデビュープロジェクトを掲げている。出身国もさまざまな参加者36人がアイドルを目指して競争する過程を収める。

 大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「最近のアイドルサバイバルオーディション番組は国内向けではなく海外の視聴者を攻略してグローバルなファンダムを集める方式で進められている」との見方を示した。また「放送局にとってサバイバルオーディション番組はコンテンツとしての価値より事業的な価値がより大きい。最近は放送だけでは番組の制作費を賄いきれないため放送局も付加的な収益を考慮せざるを得ない」とし、オーディション番組を通じて強固なファンを確保したアイドルグループが付加的な事業につながる可能性があると説明した。

 サバイバルオーディション番組を活用した成功例も既にある。Mnetの「BOYS PLANET」から生まれた9人組グループ、ZEROBASEONE(ゼロベースワン)はデビューミニアルバム「YOUTH IN THE SHADE」が発売初日に約124万枚のセールスを記録し、K―POPグループでは初めてデビュー日にミリオンセラーを達成した。

 Mnetは18日、海外のファンをターゲットにサバイバルオーディション番組「I-LAND2:N/a」の放送をスタートした。番組では次世代K―POPアーティストの座を巡り24人の参加者が競争を繰り広げる。24人は10カ国の13都市で実施された大規模なオーディションで選ばれた。

 大衆文化評論家のキム・ギョソク氏は「オーディション番組からアイドルグループが誕生すれば放送局はさまざまな付加的収益を上げることができる。アイドルグループを活用して一種の知的財産権(IP)事業を行うことになる」と説明した。

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