ある米国人女性がヘアドライヤーのせいで手首を切断したことが伝えられ、話題を呼んでいる。
英紙ザ・サンが3月25日報じたところによると、米国サウスカロライナ州でトリマーとして働いていたメアリー・ウィルソンさんは2月7日、ドライヤーで髪を乾かしていたところ、突然意識を失ったという。ドライヤーには自動停止機能がなく、メアリー・ウィルソンさんが意識を失ってから20分間、高温の熱風が吹き出たままだった。パートナーがメアリー・ウィルソンさんを発見したときには、すでに手にひどいやけどを負っていた。メアリー・ウィルソンさんは神経も修復できないほどの損傷を負い、結局手首を切断する手術を受けざるを得なかった。メアリー・ウィルソンさんは現在、健康を取り戻しており、近いうちに義手を身に着ける予定だという。メアリー・ウィルソンさんはメディアとのインタビューで「ヘアアイロンなどの器具は特定の温度に達すると自動的に電源がオフになるが、わたしが使っていたドライヤーにはそうした機能がない」とした上で「安全装置があれば、わたしのけがもあれほどひどくはならなかっただろう」と語った。ドライヤーから出る風で実際にやけどを負うことがあるのだろうか。
▶股間の毛を抜いて昏睡状態に陥った米国人男性、奇跡的に意識を取り戻す
議政府乙支大病院皮膚科のハン・ビョル教授は「手首の内側の皮膚はとても薄い」とした上で「皮膚が薄いほど、同じ温度でもやけどの程度がひどくなる」と語った。メアリー・ウィルソンさんの場合、意識を失ってから20分間、高温の熱風が手首に当たっていたため、最初から深在性Ⅱ度熱傷、Ⅲ度熱傷のひどいやけどを負った可能性がある。深在性Ⅱ度熱傷、Ⅲ度熱傷を負った場合、徹底した消毒やドレッシング、感染予防治療を受けるのが重要だ。その後、▲痂皮切除術▲自家皮膚移植▲人工皮膚移植などの治療を受けることができる。もしどの方法でも皮膚が回復しなかったら、切断手術を考えなければならない。
ヘアドライヤーは高温の熱風が出てやけどを負うリスクがあるので、常に注意して使用しなければならない。ハン・ビョル教授は「高温の熱風に皮膚が露出すると、やけどを負う恐れがある」とした上で「しばし注意力が低下したとき、やけどが発生するリスクが高い」と語った。したがって、ドライヤーを使用するときは頭皮から最低20センチ以上離して使わなければならない。高温の熱風よりは、ぬるめの温風を使用して乾かすのが安全で、頭皮や毛髪の健康維持のためにも役立つ。もし高温の熱風を使用して乾かさなければならないときは、高温の熱風とぬるめの温風を交互に使用する。ハン・ビョル教授は「ヘアドライヤーを使用していてやけどを負ったときは、直ちに氷などを利用して冷やさなければならない」と語った。そして「水ぶくれが生じたらわざわざつぶさないで、病院を訪れドレッシングを受けるべき」とアドバイスした。また、やけどを負ったときは傷の部分を手でこすってはいけない。消炎鎮痛剤を服用すると、痛みの緩和や炎症を抑えるのに役立つ。