[BTS10周年]ヒップホップアイドルから世界的スターに K―POPの新たな歴史刻む

【ソウル聯合ニュース】韓国が生んだ世界的スター、BTS(防弾少年団)が13日にデビュー10周年を迎える。2013年6月13日に「ヒップホップアイドルグループ」をコンセプトにデビューしたBTSは「I NEED U」「FIRE」「血、汗、涙」などのヒット曲を手始めに世界最高のK―POPグループにのし上がった。2018年にK―POPアーティストとして初めて米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で1位に輝くなど、その足跡は「初めて」という勲章の連続であり韓国大衆文化の新たな歴史を次々と刻んだ。

BTS(ビッグヒットミュージック提供)
▲ BTS(ビッグヒットミュージック提供)

 ◇反抗的な少年7人 ARMYと共に飛翔

 芸能関係者によると、デビュー当時、BTSは著名プロデューサーだった房時赫(パン・シヒョク)氏(現HYBE取締役会議長)の育てたグループとして注目を浴びており、グループ名には「10代への抑圧と偏見を防ぐ少年たち」という奥深い意味がこめられていたという。

 反抗的な少年たちというイメージが強かったグループは、同世代から共感される音楽と派手なパフォーマンス、親密感あるコミュニケーション方式などで次第にファン層を拡大していった。ミレニアル世代を中心に熱狂的で団結力の強いARMY(BTSのファン)が集まり、ARMYが巨大に成長したことでBTSは主流ポップ市場で名前を知られるようになった。

 特に新型コロナウイルスが世界的に大流行した2020年以降はBTSの時代と言っても過言でないほど数々の記録を打ち立てた。

 4枚目フルアルバム「MAP OF THE SOUL:7」は400万枚以上のセールスを記録し、世界5大音楽市場(米、日、英、独、仏)のアルバムチャートでいずれも1位になった。英語曲「Dynamite」と「Butter」は夢のチャートと呼ばれる米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」で頂点に立った。

 BTSは欧米でK―POPアーティストが通用しないという偏見を打ち破り、世界トップクラスのポップスターの地位を固めた。

 音楽賞でも、米音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞に韓国の大衆音楽では初めてノミネートされたほか、2021年には米3大音楽賞の一つに挙げられる「アメリカン・ミュージック・アワード(AMA)」でアジアのアーティストとして初めて最高賞に当たる「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

 BTSはグラミー賞の授賞式で米人気女性歌手オリビア・ロドリゴに何かをささやくようなユニークなパフォーマンスを披露したほか、ジョン・バティステやレディー・ガガ、ジョン・レジェンド、メーガン・ザ・スタリオンらトップスターがBTSと記念撮影しようと殺到した。これらが大いに高まったステータスを証明している。

 ほかにもBTSは国連総会での演説、韓国の勲章受章、英ウェンブリー・スタジアムや米SoFiスタジアムでの単独公演開催、米ホワイトハウスへの招待などさまざまな活動で大衆文化社会に確かな足跡を残した。

2013年のデビュー当時のBTS(ビッグヒットミュージック提供)
▲ 2013年のデビュー当時のBTS(ビッグヒットミュージック提供)

 ◇K―POPグローバル化のさきがけの役割も

 音楽専門家らはBTSの成功によって、K―POPが世界的に愛されるようになる「道筋」ができたと評価する。韓国音楽コンテンツ協会運営の音楽チャート「サークルチャート」のキム・ジヌ首席研究委員は、BTSが世界音楽市場へのルートを開拓したため別の芸能事務所のK―POPアーティストの海外進出が容易になったという話をよく耳にしたと打ち明けたうえで「K―POPを世界に拡張するにあたり先鋒の役割を果たした」と述べた。

 大衆音楽評論家のイム・ジンモ氏も「BTSの10年はグループがはばたくとともにK―POPが飛躍的に成長した期間だった。BTSの後、BLACKPINK(ブラックピンク)やNCTなどのグループも成果を出している」と話す。

 またBTSはK―POPが世界で主要な音楽ジャンルの一つになるのに決定的な役割を果たしたが、大手芸能プロダクションの資本に頼らなかったことにも言及。メンバーたちの情熱と不屈の意志が作り出した結果は賞賛に値するとたたえた。

 ◇グループ活動休止も各自が輝かしい活躍 

 BTSは昨年6月、デビュー後の活動の集大成となるアンソロジーアルバム「Proof」をリリース、同10月の釜山での公演を最後にグループとしての活動を休止している。

 メンバー最年長のJIN(ジン)が昨年12月に兵役に就いたのを皮切りに、今年4月にはJ-HOPE(ジェイホープ)も軍に入隊した。ほかのメンバーも順次、兵役に就く予定だ。

 まだ入隊していないメンバーはソロ活動をしているが、ここでも輝かしい結果を出している。JIMIN(ジミン)が発表したファーストソロアルバム「FACE」のタイトル曲「Like Crazy」はビルボード「ホット100」で1位を獲得し、JUNG KOOK(ジョングク)は22年のサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会の公式ソングを歌い、同大会の開幕式のステージに立った。SUGA(シュガ)はソロアルバムをリリースし、ワールドツアー中。RM(アールエム)は音楽活動だけでなく、テレビのバラエティー番組出演などそれぞれ目覚ましい活躍を見せている。

 兵役やソロの経験がグループ活動にどう影響を与えるのか。世界中のARMYは所属事務所HYBEがグループ活動再開の時期としている2025年を心待ちにしている。

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