ガールズグループ 成功の鍵は事務所の資本力か=二極化進む

【ソウル聯合ニュース】韓国のガールズグループが今年、国内外で大きな人気を集めた一方で、大手芸能事務所に所属するグループと中小の事務所に所属するグループの二極化が進み、「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」現象が深刻化しているとの指摘が出ている。

 6人組のbugAboo(バガブー)は8日、ファンサイトを通じて活動の終了を報告した。昨年10月のデビューから約1年2カ月での解散となった。2019年にデビューした5人組のBVNDIT(バンディット)も先月11日に所属事務所が専属契約の解除を発表。4月には7人組のHOT ISSUE(ホットイシュー)が結成から約1年で解散した。

 アイドルグループが所属事務所と結ぶ一般的な専属契約期間は7年だが、1~2年で消えるケースが相次いでいる。

LE SSERAFIM(ソースミュージック提供)=(聯合ニュース)
▲ LE SSERAFIM(ソースミュージック提供)=(聯合ニュース)

 中小の事務所に所属するガールズグループが相次いで解散した背景には、大手に所属するアーティストへの人気の偏りがある。韓国最大の音楽配信サイト、メロンの「2021年国内総合チャート」で上位50位に入ったガールズグループの曲は計7曲だった。このうちHYBE(ハイブ)、SMエンタテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメントの大手4社に所属していないグループの曲は5曲あった。しかし今年1月1日から今月16日までのメロンでのチャートをまとめたデータによると、上位50位に入ったガールズグループの曲は13曲で、昨年の倍近く増えた一方、大手4社に所属していないグループの曲は6曲のみだった。

 今年、人気を集めた大手所属の新人ガールズグループはコンテンツの制作費を惜しまなかった。HYBE傘下のレーベル、ADORからデビューしたNewJeans(ニュージーンズ)はデビューアルバムに収録された4曲すべてのミュージックビデオを制作するなど、物量作戦を繰り広げた。曲の振り付け映像やメンバーの個人別の映像を合わせれば、10を超える映像を制作した。HYBE傘下のソースミュージックからデビューしたLE SSERAFIM(ル セラフィム)も事務所のバックアップにより成功的なデビューを果たした。

 ハイブが今年8月に公表した半期報告書によると、同社がソースミュージックにガールグループのデビュー支援を目的に75億ウォン(約7億7000万円)を貸し付けたことが分かった。

 MAMAMOO(ママム)などが所属すRBWのキム・ジヌ代表は聯合ニュースとのインタビューで、「国内市場だけをターゲットにしていたときはある程度、費用に上限があった」とし、「しかし最近のようにハリウッドと争うためにはコンテンツのクオリティーを高くせざるを得ず、製作単価がその分高くなった」と説明した。別の業界関係者も「K―POP市場が大きくなったことで単価が全て高くなり、グループ活動にかかる費用が以前より1.5倍から2倍近く増えた」とし、「結局は所属事務所によるマネーゲームになりつつある」と分析した。

 ファンや専門家の間では、特定の事務所に所属するグループが市場を独占することで、多様性が損なわれるのではないかとの懸念も出ている。大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は最近多くのガールズグループがデビューしたが、大手に所属するグループと中小の事務所に所属するグループの二極化がさらに激しくなったとし、「この現象は結局、文化的、音楽的な多様性を損なう恐れがある」と指摘した。また「資本とマーケティング力によって動くK―POPが果たして未来に肯定的な効果を示すことができるか心配だ」と話した。

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