「世界的な大ヒット作としてブレイクしたディストピア・ドラマ『イカゲーム』が新たな歴史を作った」(米紙ニューヨーク・タイムズ)
世界の主要メディアは『イカゲーム』の作品性に賛辞を送ると同時に、英語以外のドラマが初めて「プライムタイム・エミー賞(Primetime Emmy Awards)」(以下、エミー賞)を受賞したことを強調した。ニューヨーク・タイムズはさらに、『イカゲーム』を「経済的不平等と道徳的破たんに対する現実世界の懸念を取り上げた作品」と紹介、「『イカゲーム』は『世界的な現象』になった。今や多くの人々がハロウィーンの衣装に『イカゲーム』スタイルのスーツや黒いマスクを身につけ、カルメ焼きに関心を持っている」と評した。
外信各社は今回の『イカゲーム』のエミー賞受賞について、「非英語圏のドラマが主演男優賞と監督賞を取るのは初めてだ」と歴史的な意義を強調した。英紙ガーディアンは「ファン・ドンヒョク監督は通訳なしでも完ぺきに受賞の感想を語った」「英語以外のドラマで同部門にノミネートされた最初の俳優イ・ジョンジェがブライアン・コックス(『メディア王 ~華麗なる一族~』)、ジェレミー・ストロング(同)、アダム・スコット(『セヴェランス』)、そしてボブ・オデンカーク(『ベター・コール・ソウル』)と競い合い、勝った。本当に驚くべきことだ(Truly a surprise)」と報じた。英紙タイムズは「ファン・ドンヒョク監督が10年間努力したドラマがエミー賞の監督賞を受賞した」「『イカゲーム』でソン・ギフン役を演じたイ・ジョンジェが『ベター・コール・ソウル』のボブ・オデンカークに勝った」と評した。一部の芸能メディアでは『イカゲーム』の受賞について「非英語圏のドラマの俳優がエミー賞を受賞できる世の中で暮らせることになってうれしい」という反応もあった。
ファン・ドンヒョク監督は同日、受賞コメントで「『イカゲーム』がエミー賞を受賞する最後の非英語圏テレビシリーズにならないよう心から願っています」と語った。米紙ロサンゼルス・タイムズはこれについて、「『イカゲーム』は既にシーズン2に対して青信号(greenlighted)がともっているので、エミー賞の作品賞を将来再び獲得するチャンスがあるだろう」と伝えた。その上で、今回の『イカゲーム』エミー賞受賞で「Apple TV+の『PACHINKO パチンコ』やHBOの『マイ・ブリリアント・フレンド』などほかの非英語圏ドラマのライバルたちが今後エミー賞に愛してもらえるかどうか、見守るべきだ」と英語以外のドラマの展望について評価した。