「イカゲーム」がエミー賞4部門受賞 韓国コンテンツの新たな歴史

【ソウル聯合ニュース】米動画配信大手ネットフリックスのオリジナル韓国ドラマ「イカゲーム」が米テレビ界の優秀作品に贈られるエミー賞で、ゲスト賞、プロダクションデザイン賞、視覚効果賞、スタントパフォーマンス賞を受賞した。主催団体の米国テレビ芸術科学アカデミーが4日(現地時間)発表した。非英語圏のドラマがエミー賞を受賞したのはこれが初めてで、韓国コンテンツの新たな歴史を刻んだ。

 エミー賞は、技術スタッフに授与される「クリエーティブアーツ・エミー賞」や俳優・演出陣を対象とする「プライムタイム・エミー賞」などに分かれており、「イカゲーム」はクリエーティブアーツ・エミー賞で主題歌賞、撮影賞、編集賞、プロダクションデザイン賞、スタントパフォーマンス賞、視覚効果賞、ゲスト賞の7部門にノミネートされていた。

 プライムタイム・エミー賞の授賞式は12日に開かれる。プライムタイム・エミー賞では、「イカゲーム」は作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、主演男優賞(イ・ジョンジェ)、助演男優賞(パク・ヘスとオ・ヨンス)、助演女優賞(チョン・ホヨン)の候補となっている。

 非英語圏のドラマがエミー賞にノミネートされたのも今回が初めてで、「イカゲーム」の受賞には多くの意味がある。

 米企業であるネットフリックスが制作した「イカゲーム」は純粋な韓国ドラマではないものの、韓国の俳優が韓国語で演じるドラマがノミネートされ受賞に至ったのは驚くべき変化だ。

 エミー賞も米アカデミー賞と同様に英語圏ではない地域の作品を尊重する雰囲気に変わりつつあり、その変化を韓国のコンテンツがけん引していることを示している。

「イカゲーム」がエミー賞4部門受賞 韓国コンテンツの新たな歴史

 2020年にはポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」が英語以外の言語の映画として初めてアカデミー賞の作品賞を受賞。作品賞を含め4冠に輝いた。21年には女優のユン・ヨジョンが韓国の俳優として初めてアカデミー賞助演女優賞を受賞した。

 このような史上初の記録が続く中、「イカゲーム」がエミー賞の受賞で世界を舞台に韓国コンテンツの新たな歴史を刻んだ。

 「イカゲーム」は配信開始から28日間で、累計視聴時間16億5045万時間を記録。ネットフリックスでの最高記録を維持している。

 米国で開かれた各受賞式でも数々の賞を受賞し、イ・ジョンジェ、オ・ヨンス、チョン・ホヨンなど出演者も演技者に贈られる賞を受賞した。

 大衆文化評論家のハ・ジェグン氏は「イカゲーム」がかなりのヒット作だったためエミー賞も無視できなかったとみられるとし、「文化的な少数者(非英米圏・有色人種)に対する見方が変化する流れの中で、映画や音楽など韓流の流れに乗って韓国が最も大きな恩恵を受けたと思われる」と話した。

 同じく大衆文化評論家のキム・ソンス氏は「韓国がすでに時代をリードしている」とし「ネットフリックスの視聴時間を見れば『イカゲーム』をはじめとする複数の韓国ドラマが高い順位につけており、韓国ドラマがコンテンツの主流として定着したという意味」と説明した。

 「イカゲーム」が数々の賞を受賞し記録を塗り替えた背景には、ネットフリックスをはじめとする動画配信サービス市場が拡大した影響も大きい。

 海外でも韓国ドラマをすぐに視聴でき、製作段階から準備された字幕で作品を楽しむことができるためだ。実際「イカゲーム」が海外で人気を得た要因として、完成度の高い翻訳が挙げられる。

 これは今後も多くの韓国ドラマが世界で愛される可能性が高まったことを意味し、第2の「イカゲーム」への期待も高まる。

 韓国内で爆発的な人気となった「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」はネットフリックスで配信され、海外でも大きな人気を得ており、米メディアも注目している。
 キム氏は「ネットフリックスが韓国とコンテンツ大国である米国の懸け橋の役割をした」とし「米国の視聴者たちは字幕や吹き替えを通じて面白いドラマを楽しめるということに気づいた」と話した。

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