【ソウル聯合ニュース】K―POP市場の成長に伴い、アルバムの形態が多様化している。通常盤のCDのほかに「ジュエルケース」仕様を準備したり、アナログレコード盤をリリースしたりするケースが増えた。逆にフィジカル(CDやLPなど)無しを選択するアーティストもいる。
音楽業界の関係者によると、K―POPアーティストは近ごろニューアルバムをリリースする際、2~3パターンの通常盤以外にジュエルケース仕様のCDを発売することが多い。ジュエルケースは透明なプラスチックケースのことで、1990~2000年代はこれにCDを収納することが一般的だった。10年以降のアルバムはCDにフォトブックやフォトカード、ポップアップカード、ポスターなどさまざまな付属品がセットされ、ジュエルケース仕様は見かけなくなっていた。
男性グループのNCTは昨年12月に3枚目フルアルバム「Universe」をリリースしたが、フォトブックを含む通常盤のほかに、メンバー21人を一人ずつカバーにしたジュエルケース仕様21種をそろえた。ガールズグループのFromis_9(プロミスナイン)は先月4枚目のミニアルバム「Midnight Guest」を、通常盤2パターンと、メンバーの数と同じジュエルケース仕様9種でリリースした。
ジュエルケース仕様はCDにブックレットやフォトカード程度の付属品からなり、比較的シンプルな形態だ。カバーにはメンバーのうち1人だけをあしらうことが多い。お気に入りのメンバーのジュエルケースを手に入れたいというファン心理を刺激する。
価格は1万ウォン(約960円)台前半と、通常盤の半分程度に抑えられており、10~20代のファンも買いやすい。
一方、数年前から若い世代の間で広がっているレトロブームを受け、アナログレコード盤のリリースも増えている。
女性グループのOH MY GIRL(オーマイガール)は先月ソウルで開催されたレコードフェアに合わせ、18年リリースのミニアルバムのタイトル曲「Secret Garden」を収めた限定アナログ盤を出した。また、男性バラード歌手のソン・シギョンが昨年リリースした8枚目フルアルバム「ᄉ(シオッ)」を5000枚限定のLPとして先月発売したところ、1日で売り切れた。
SBSドラマ「その年、私たちは」のオリジナル・サウンドトラック(OST)は、ドラマOSTでは異例のアナログ盤でもお目見えした。男性グループBTS(防弾少年団)メンバーのV(ブイ)が歌った同ドラマの挿入歌「Christmas Tree」は、韓国のOSTとしては初めて米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」にランクインしている。
一つのアルバムが仕様を変えることで、多い場合には20以上のバリエーションで発売されるようになったわけだが、新手の商法、環境への悪影響といった懸念も生んでいる。
こうした中、男性グループのVICTON(ビクトン)、LUMINOUS(ルミナス)はそれぞれ、フィジカルを持たない、スマートフォンなどで聴く仕様のアルバムをリリースした。
VICTONの所属事務所関係者は「人々がより簡単に、気軽にアルバムに接し、所有する方法はないかと知恵を絞った。(CD購入時についている抽選特典などによる)サイン会参加後に処分されたり返品されたりする商品が多いことは、どこの事務所にも共通する悩み」と説明した。LUMINOUSの所属事務所関係者によると、海外ファンの場合は配送費の負担がなくなることもメリットに挙げられる。