希望を抱ききょうも店を開けた韓服生地店

 秋夕(中秋節、今年は9月21日)を控えたソウル市鍾路区にある広蔵市場の韓服(韓国の伝統衣装)用生地店。最も混雑する季節だが、行き交う客はいない。売り場には、廃業する工場などから処分すべき在庫を安値で仕入れた生地が山のように積まれていた。

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 間もなく閉店時間だが、客はたった一人だけ。その日の売り上げは3万ウォン(約2780円)だ。それでも、一日中来客がなかったほかの韓服店に比べればいい方だとし、店主は自分で自分を慰めた。

希望を抱ききょうも店を開けた韓服生地店

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、それまで外国から訪れていた生地の卸売業者の足が途絶え、韓服が必要な集まりは開催されない。外国人観光客に人気だった韓服レンタル店も、ほとんど店を閉めている。韓服の需要が急減し、ここでは売り上げという概念が消えたという。

 店を開けるほうが損害が大きいのではないかという質問に、店主は「いつかはよくなるだろうという希望を持ち、きょうも店を開けた」と答えた。名節(中秋節や旧正月)には家族と一緒に心だけはぽかぽか過ごせるように。

オ・ジョンチャン記者

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