夏の順天干潟は青々としている。コチドリやオオヨシキリなど、夏の渡り鳥たちがアシの茂みに巣をつくる。秋になると、黄金色に輝くアシの茂みには、夏の渡り鳥が去った場所にナベヅル、ナベコウなどの渡り鳥が冬を越すために飛来する。
順天干潟をはじめ、韓国の干潟4カ所が世界自然遺産に登録された。国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は7月26日、前日開催した第44回総会で、韓国が申請した「韓国の干潟」について、満場一致で登録を最終決定した。宝城・順天干潟(全羅南道宝城郡・順天市)をはじめ、舒川干潟(忠清南道舒川郡)、コチャン干潟(全羅北道コチャン郡)、新安干潟(全羅南道新安郡)だ。
韓国の干潟は生物種が多様で、絶滅危惧種が生息しており、地形や気候の影響により、世界で最も厚い干潟堆積物が安定的に維持されているという点が認められた。
「韓国の干潟」は、およそ2万年前から黄海の海水面が急速に上昇し、約7000年前に海水面の上昇速度が遅くなったことで、堆積物が海岸線にたまり始めて形成された。
「韓国の干潟」には「生態系の宝庫」「海の上の庭園」などの修飾語が付いている。「今や『韓国の干潟』は韓国だけでなく、人類が共同で保護し、生かしていくべき巨大な生命となった」。「地球上の生物の多様性保全のための重要な生息地」という価値が大きい。