【新刊】セシリア・ルイス絵・著、クォン・イェリ訳『死のダンス』(海は長い島刊)、80ページ(1万6000ウォン)
観客が見下ろすステージで、俳優はハンカチを手に座っている。ハンカチに赤い血がさっとにじむ。本物の血なのか、小物なのか。この絵はフランスの劇作家で俳優のモリエール(1622ー1673)の最期を暗示する。「モリエールが舞台で自分の最後の作品『病は気から』で患者役を演じているときだった。彼はいきなり倒れ込み、わずか数時間後に息を引き取った」
メキシコ出身のイラストレーターである著者は、大人のためのこの絵本で、不思議な死の瞬間をキャッチする。ワシが空から落としたカメに当たって死んだとされる古代ギリシャの悲劇の男アイスキュロス(カメを岩へ落として甲羅を割って食べるワシに頭を岩と間違えられたとされる)、長いスカーフが自動車の車輪に巻き込まれたせいで首の骨が折れて死んだダンサーのイザドラ・ダンカン、同じ日の同じ時刻に生まれ、2011年一緒に旅立った米国の双子の修道士まで。古今東西、富も名誉も関係ない死は、最も公平なテーマだ。
チェ・ミンギ記者