あっという間に消えてしまう。高く青い秋の空は。
秋は移動性高気圧の影響で空が一段と高く青く見える。これまで黄砂やPM2.5など粒子状物質によって失われていた美しい秋の空を数年ぶりに取り戻せたのは、皮肉ながらコロナのおかげ。秋が過ぎ去る前に空をより近くで楽しめる「ビュー(展望)レストラン」が最近人気の理由だ。
◆タイ・バンコクのような景色が広がる「fof」
ソウル市江南区K現代美術館6階のてっぺん。エレベーターに乗って上がると、肉を焼くにおいがしてくる。今年7月にオープンした焼き鳥バー「fof」だ。270度見渡せ津屋上に座り、江南区狎鴎亭洞の漢陽アパートや城東区聖水洞のTrimageが織りなす「スカイライン」を鑑賞すると、タイの首都バンコクにやって来たみたいだ。日本で勉強してきたというソムリエのカン・ヒョンギュさんは「焼き鳥は味や香りが強いため、さわやかなビールもよいが、個性の強いナチュラルワインもよく合う」と語った。
◆マンハッタンのような眺めの「メゾン漢南」
ソウル市竜山区漢南洞の「UNビレッジ」には漢江と南山が見える「メゾン漢南」がある。東湖大橋の奥に見える第2ロッテワールドなど高層ビルが、米国ニューヨーク・ブルックリンから眺めるマンハッタンの風景に似ているといわれる場所だ。もともとイタリア大使館官邸だった場所をク・スンウ代表が購入し、今年7月にレストランをオープンした。オーストラリアのベントレーレストランで働いていたキム・スンヒョン・シェフがオーストラリアの家庭料理をつくって提供している。
◆漢江でヨットに乗っているような「MONARCHS PUB」
ソウル市瑞草区の蚕院漢江公園にある「MONARCHS PUB」も名所だ。コスモス、アシ、ピンク色のススキとして知られるミューレンベルギア・カピラリスなど川辺の風景を楽しみながら歩いていくとたどり着く水上ビルの屋上にある。空が見えるルーフトップに座り、川の流れを眺めていると、ヨットに乗っているような気分になる。よく焼けたバゲットの上にアボカドが丸ごとのったアボカドプラッターなど、ブランチが人気だ。
◆DDPを見下ろす「FINSKY」
ザハ・ハディッドが設計した東大門デザインプラザ(DDP)を見下ろしながら夜景を鑑賞することができる場所もある。DDP隣のアディダスのビル13階にあるルーフトップ「FINSKY」。パラダイス・ホテルのクラブ・クロマ代表などを務めたキム・ヒョンソプ代表が2016年にオープンした。代表的なメニューは、マルゲリータ・ピザや手作りソーセージ焼き。事前に予約すれば、ルーフトップで主人が自らバーベキューをしてくれる。ソウル都心の屋上でビールやバーベキューを気軽に楽しめることができる場所だ。