自動販売機が復活を遂げている。新型コロナウイルス感染症拡大後、非対面サービスが本格してからだ。以前のコーヒーやたばこの自動販売機を想像してはいけない。モノのインターネット(IoT)と情報通信技術(ICU)を適用し、常駐する管理人がいなくても流通期限が短い新鮮な食品や冷蔵・冷凍食品を取り扱うことができる、進化型自動販売機だ。
コンビニエンスストアチェーンのミニストップは韓牛(韓国伝統の肉牛)ヒレ肉やサムギョプサル(豚バラ肉)など、肉を選んで食べることができる「精肉自動販売機」を9月末に導入した。新鮮食品プラットフォーム「フレッシュストア」が手掛ける精肉自動販売機がミニストップにショップ・イン・ショップ形態で入店。昨年10月に事業をスタートし、現在6カ所で自動販売機を運営しているフレッシュストアのヒョン・ウンジェ代表は「コロナ事態以降、売り上げは京畿道城南本店基準で30%増え、自動販売機設置に関する問い合わせは2倍以上増えている」とした上で「大型スーパーや精肉店が閉店した夜遅い時間や早朝にも購入可能な利便性のほか、従業員と向かい合ってあれこれ話をする手間が省けるという点で、若い人たちを中心によい反応を得ている」と説明した。
アイスクリームブランド「ハーゲンダッツ」は先月、アイスクリーム自動販売機120台を設置し、本格的な運営に乗り出した。24時間年中無休で利用可能な自動販売機で、ミニカップ5品、シングルバー5品、クリスピーサンド1品など、人気商品を販売している。
酒類自動販売機も間もなく登場する見通しだ。大韓商工会議所と産業通商資源部(省に相当)は最近「2020年度第2次産業融合規制特例審議委員会」を開き、民間規制緩和対象として事前成人認証を通じて酒を自動決済する方式のAI酒類販売気を選定した。小商工人事業所で試験運営を始め、コンビニエンスストアまで事業を拡大する予定だ。
自動販売機が韓国国内に初めて導入されたのは1977年。ロッテ産業が日本からコーヒーの自動販売機を輸入し、設置した。最初の国産自動販売機は、1980年に金星社が売り出したコーヒー自動販売機「GVKー204HS」(モデル名)。1988年のソウル・オリンピック以降、爆発的に成長し、「金の卵を産むガチョウ」と認識されていた自動販売機産業は2003年からマイナス成長に転じ、2010年以降は大きく低迷している状態だ。