【ソウル聯合ニュース】「アジアの星」の異名を取る韓国の女性歌手BoA(ボア)=33=が、25日にデビュー20周年を迎える。
BoAは2000年8月25日、ファーストフルアルバム「ID; Peace B」でデビューし、K―POPの海外進出のパイオニア役を担ってきた。韓国の歌手として初めて日本のオリコン週間ランキングトップに立ち、米ビルボードのメインチャートにランクインするなどの成果を残した。
30代に入っても、その活躍は現在進行形だ。韓流スターとして数々の記録をつくった最初の10年を経て、次の10年はシンガーソングライター、パフォーマーとして成長を続けた。
◇海外市場で最初のK―POP成功モデルに
BoAはK―POPアーティストとして海外市場で最初の成功モデルになった。
00年の韓国デビューの翌年には日本でファーストシングルをリリース。徹底したトレーニングで歌とダンス、日本語の実力を身に着け、日本市場に挑んだ。
02年3月にリリースした日本ファーストアルバム「LISTEN TO MY HEART」は、韓国人として初めてオリコン週間アルバムランキング1位を記録。発売初日に100万枚を超えるセールスとなったセカンドアルバム「VALENTI」から6枚目アルバム「THE FACE」まで、オリジナルアルバムやベストアルバム計7枚が続けてオリコン週間1位となり、J―POP市場でトップ歌手としての地位を固めた。NHK紅白歌合戦には02年から6年連続で出場した。
ポップ音楽評論家のチョン・ミンジェ氏は「日本で自国のスターと同じくらい愛され、自国の歌手と競い合って同等な地位に立ったケースはBoAが初めてで、そうした意味ではパイオニアだ」と話す。
K―POPが世界で愛されるジャンルとなった今でこそ、韓国アーティストのオリコン1位は珍しくなくなったが、当時のBoAの成功は韓流の新たな地平を開く転機となった。日本のエイベックスと組んで現地化戦略を展開したとはいえ、所属事務所のSMエンタテインメントが育てた韓国アーティストのコンテンツと能力、体系的な育成システムと企画により、海外市場での実質的な成功例をつくり出したためだ。
世界2位の音楽市場である日本での成功は、米国市場に挑む足掛かりにもなった。
BoAの米国進出は商業的に見て大成功したとは言い難いが、K―POPにとって意味のある経験となった。09年3月にリリースした米デビューアルバム「BoA」はビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で127位にランクイン。韓国アーティストがビルボードのメインチャート入りしたのはこれが初めてだった。
大衆文化ジャーナリストのパク・ヒア氏は「韓国歌手のパフォーマンスだけで米国でどれほど関心を集められるかをテストする、リトマス紙のような役割を果たした」と評価している。
◇シンガーソングライターとして成長
ポップ音楽界は、BoAがシンガーソングライターとしてここ数年間、積み上げてきたディスコグラフィーにも注目している。
12年にリリースした韓国7枚目のフルアルバム「Only One」は、BoAが作詞・作曲した同名のタイトル曲がヒットした。初めて自作曲をタイトル曲に据えたアルバムでもある。また、BoAが全曲の作詞・作曲とプロデュースを手掛けた15年の8枚目フルアルバム「Kiss My Lips」は、特に評論家から高い評価を受けている。
ジャーナリストのパク・ヒア氏は「BoAは次第にシンガーソングライターとしての資質を見せ、『Kiss My Lips』で頂点に達した。BoAの20年の歴史で外すことのできないアルバムだ」と話す。
評論家のチョン・ミンジェ氏も「BoAはアイドルポップ歌手としてスタートし、後に作家主義的な性格が強く表れるシンガーソングライターに変わっていった。音楽的な面でも進化を遂げた」と評価している。
難易度の高いパフォーマンスも継続して披露している。BoAは今年2月に出演したテレビ番組で、「ステージでは何か一つは記憶に残すべきだと思っている。ポイントになりそうな要素を必ず入れるようにしている」と自らの舞台哲学を語っていた。
デビュー15周年を迎えた15年には、ポップ歌手への貸館審査が厳しいソウルの世宗文化会館で、女性アイドル歌手として初めてソロコンサートを開催した。演技にも挑み、自身の活動の幅を広げた。
SMエンタテインメントはBoAのデビュー20周年を記念し、EXO(エクソ)のベクヒョン、BOL4(赤頬思春期)、Red Velvet(レッドベルベット)、米シンガーソングライターのガラントらがBoAの代表曲をカバーするプロジェクト「Our Beloved BoA」を行っている。
BoAはデビュー記念日の25日にポータルサイト大手NAVER(ネイバー)の動画配信サービス「Vライブ」の「SMタウン」チャンネルでの生放送に出演し、ファンとトークを交わす予定だ。