蒸し暑さに疲れた夏、元気回復のためには、旬を迎えたアワビほどピッタリのものはない。
アワビは『世宗実録地理志』に王に進上される食べ物として記録されているほど、昔から貴重なものとされていた。
アワビはワカメや昆布などを食べているため、海藻類の味が感じられる内臓が珍味とされるが、内臓の色で雄雌を区分することができる。アワビの内臓が緑なら雌、黄色なら雄だ。
アワビは雄雌によって肉質が異なり、最もおいしく食べられる調理法も違う。雌は肉質がやわらかいので粥、蒸し物、煮物などに合い、雄は刺し身や酢の物など、生のまま食べるのが一番おいしい。
また、アワビを蒸して乾かすと表面に白い粉が生じるが、これはタウリンの成分で、コレステロール低下作用があり、視力回復にも効果がある。
そのほかアワビの殻の内側には強い真珠のような光沢があり、螺鈿漆器の材料として使用されている。
キム・ジョンア記者