【Pickcon】「見つめ合う星と星は遠く離れているとしてもいつだって傍に感じてる」
「STARS」の歌詞のように、俳優パク・ヨンハさんが星になってから10年という時がたった。国境を越え、多くの人たちに笑いと涙、そして癒しを与えたパク・ヨンハさんは2010年6月30日、自分の歌のように遠く離れた星になった。
パク・ヨンハさんは1994年にMBCの『テーマ劇場』で俳優としてデビュー。その後、1998年にドラマ『ずっと会いたい』(MBC)でMBC演技大賞新人賞を手にするなど、コツコツとフィルモグラフィーを積んできた。2002年にドラマ『冬のソナタ』(2002)を通じて韓国だけでなく、日本でも大人気を集め、韓流スターに登りつめた。『冬のソナタ』で共演したペ・ヨンジュンは日本で「ヨン様」と呼ばれ、一方パク・ヨンハは「ヨンハちゃん」という愛称で呼ばれた。
韓国ではドラマ『オールイン 運命の愛』(SBS)の挿入歌「初めて出逢った日のように」を通じてパク・ヨンハさんの歌唱力が広く知られているが、パク・ヨンハさんは日本で本格的に歌手としても活動した。2004年に日本で発表したシングル「カジマセヨ (行かないで)」はオリコンチャートでトップ10入りを果たし、韓国の男性アーティスト初の記録を打ち立てた。2005年から2009年にかけて、日本ゴールドディスク大賞授賞式で受賞するほど実力を認められていたパク・ヨンハさん。
その後、韓国でドラマ『オンエアー』(SBS)、映画『作戦 The Scam』、ドラマ『ザ・スリングショット〜男の物語』(KBS第2)などの作品に出演し、俳優として活躍を続けてきた。しかし、2009年6月9日に最終回を迎えた『ザ・スリングショット〜男の物語』がパク・ヨンハさんの遺作となってしまった。そして、2010年6月9日に発売された「STARS」はパク・ヨンハさんの最後の声が収められたアルバムとなった。
パク・ヨンハさんの簡易投稿サイト「ツイッター」はまだ残っている。亡くなる4日前の2010年6月26日にも、パク・ヨンハさんはファンに感謝の気持ちを伝えていた。パク・ヨンハさんは「空港に来ることをどうやって知って、いらしてくださったのか。それも遅い時間に」とした上で「あした公演のときに必ず尋ねなければ。『昨日空港に来てくださった方~』って」と書き込んでいた。
こうしてファンにやさしかったパク・ヨンハさんに、今はもう会えない。パク・ヨンハさんは2010年6月30日、32歳という若さで自ら命を絶った。突然この世を去ることになった理由は、はっきりと分かっていない。
そして10年たった今も、パク・ヨンハさんを忘れられない人たちが、故人が埋葬されている京畿道の盆唐メモリアルパークを訪れ、献花式や焼香式を執り行った後、京畿道内にある薬泉寺で儀式を行っている。そうしてパク・ヨンハさんは自分の歌のように、遠く離れていても覚えていてくれる人たちの胸の中で永遠に生き続ける。