韓国南部で始まった菜の花前線が春の風に乗ってソウルまで上がってきた。京畿道九里漢江市民公園の菜の花畑。例年なら菜の花祭りが始まる日、ボランティアの人たちは花畑に座って菜の花を収穫していた。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、20年ぶりにイベントが中止となり、九里市では、広さ12万平方メートルの菜の花畑を掘り起こす代わりに菜の花を活用する方法を思いついた。菜の花畑に集まったボランティアおよそ250人は一日中、花畑で菜の花を収穫し、菜の花キムチを漬けた。
ボランティアの人たちでさえ、初めて漬ける菜の花キムチ。菜の花で有名な済州道では毎年春に食べているという。キムチを漬ける現場でどんな味か尋ねてみると、くるくる丸めて一口差し出してくれた。大根葉のキムチのようにさわやかでシャキシャキした食感。春の気配を漂わせているかのように、後味は花の香りいっぱいだ。この日ボランティアの人たちが漬けたキムチ2500箱は、九里市内の恵まれない人たちに無料で配布される予定だ。祭りはなくなってしまったが、菜の花はよりいっそう美しく変貌を遂げた。
オ・ジョンチャン記者