犬や猫などを以前は「愛玩動物」と呼んでいたが、最近は「伴侶動物」という。家で一緒に暮らす動物を家族として扱っているためだ。家族の辞書的な意味は「一つの家で一緒に暮らしながらともに食事をする人」。だからなのか、ピザやハンバーガー、フライドチキンのようなファストフード・フランチャイズ業者がペットと一緒に食事を楽しむことができる「伴侶動物メニュー」を相次ぎ売り出している。ペット用ビール、焼酎、マッコリもある。一見、人間が食べるもののようだが、塩分・香辛料など動物が摂取してはいけない食材は使わず、消化によい食材でつくられている。自分の「家族」と一緒に食事をするという満足感を与えるとともに、伴侶の健康を気遣ったメニューだ。
ミスターピザは昨年9月、韓国国内のピザチェーン店で初めて、犬・猫が食べることができるピザ「ミスターペッザ」2種を発売。「ペットチブルス」と「ペットペパロニ」はそれぞれミスターピザの「チーズブラッサムステーキ」「ペパロニ」ピザそっくりだ。だが味は異なる。動物が消化しにくい小麦粉の代わりに米粉で生地をつくり、牛乳・チーズに含まれる乳糖分解能力がなく、塩分を摂取してはいけない動物も食べることができるよう、一般的なピザ用チーズの代わりにラクトフリー無塩チーズを使用しているからだ。これに牛肉、サツマイモ、鶏むね肉などペットが好きな食材をトッピングした。ミスターピザの関係者は「『宅配ピザを食べるたびにいじらしい眼差しで見つめていた愛犬、愛猫にこれ以上申し訳なく思うことなく、一緒にたべることができてうれしい』という顧客が多い」と語った。
バーガーキングは3月1日まで2週間、ワッパー(ハンバーガー)を愛犬のおやつとして開発した「ドッグパー(Dogpper)」無料贈呈キャンペーンを実施した。昨年5月に続き2度目となる。犬たちが消化しやすいようグルテンを除いた小麦粉と加水分解チキンを混ぜた生地を、犬たちが遊ぶ骨型おもちゃのような形にし、焼いてワッパー特有の香ばしさを出した。バーガーキングの関係者は「宅配サービスの利用者に限り贈呈したのだが、インスタグラムやフェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に写真が5000件以上アップされるほど好評を得て、『もっとドッグパーがほしい』という要望が相次ぎ、あらためて(キャンペーンを)実施することになった」とコメントした。
チキンプラスは愛犬のための「デンデンチキン」を開発した。鶏むね肉をアマニンなどと混ぜ、500ウォン(約40円)玉ほどの大きさのチキンレッグ型に成形。売り場で揚げるのではなく、別途工場でつくって売り場に供給している。売り場では一般的な「人間用」チキンを注文すると、サイドメニューの概念で一緒に販売。宅配またはテイクアウトで注文したり、店に愛犬を連れてきて食べてもよい。
ペット用の「酒」も登場した。ベルギーのヒューガルデン村を発祥とするビール、ヒューガルデンは愛犬のための「ペットビア」を昨年限定販売。アルコールを含んだ本物の酒ではない。ペット専用おやつショッピングモール「TREAT TABLE」とタッグを組んでつくった一種のノンアルコールビールだ。サツマイモ・トウモロコシ・麦などを添加し、ビールの香ばしい味を出し、人工香辛料を添加してヒューガルデン特有のオレンジの香りをつけた。ビタミンA・B2・C・D3・Eなど8種のビタミンを含んだビタミンドリンクの一種で、ペットが水代わりに飲めるようにした。ヒューガルデンの関係者は「第1弾300本が発売から二日で完売し、追加の第2弾300本も四日で売り切れた」と語った。
ビールに似たような色と味の「犬ビール」のほか、「犬焼酎」「犬コリ(マッコリ)」「犬チキン」「犬パジョン(ネギチヂミ)」などを生産・販売する「TREAT TABLE」の関係者は「韓国の犬だからなのか、やはり焼酎が一番よく売れる」と言って笑った。同関係者は「うちの商品を購入してくださる人たちは自分の愛犬・愛猫と同じ食べ物を分かち合い、一緒に時間を過ごすことができてうれしいと話している」とコメントした。