新型コロナで落ち込んだ観光産業に活力を! 夜間観光の活性化推進

新型コロナで落ち込んだ観光産業に活力を! 夜間観光の活性化推進

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、不振に陥っている観光産業に活力を与えるため、韓国国内での「夜間観光」の活性化を推進する。

 韓国観光公社は3月17日、落ち込んでいる観光産業の回復や景気回復のための新たな中核事業の一つとして、夜間観光を推進する方針を決め、新型コロナウイルス感染症が収束した後の局面に備えていると発表した。

 夜間観光は現在、各地方自治体単位でもマーケティングが行われているが、枝葉的テーマに限定されている。そんな中、観光公社は全国の魅力ある夜間観光資源を一つにまとめ、優れたコンテンツを選定・広報し、観光産業の活性化をリードするという戦略だ。

 そのため、観光公社は先月半ばから全国の広域自治体などを対象に夜間観光コンテンツの推薦を受けており、SKテレコムの「T-map」の夜間のデータなどを基に、夜間観光ガイド「夜間観光ディレクトリーブック」(韓国語)を来月半ばまでに製作する。また、来月「推薦 行ってみるべき夜間観光100選」(仮題)を選定して発表し、6月中には「夜間観光国際フォーラム」「夜間観光テーマ旅行週間」などを実施する。外国人観光客のために英語・中国語・日本語などからなる夜間観光広報物も製作し、配布する計画だ。ただし、新型コロナウイルス感染症の収束時期によってスケジュールは変わることがある。

 夜間観光は世界の主要国家・地域でも経済の活性化のための制作事業として推進されている。「眠らない街」と言われる米国ニューヨーク市の昨年の報告によると、夜間観光を通じておよそ190億ドル(約2兆3000億円)の経済効果、19万人の雇用創出効果を生んだという。日本政府観光局(JNTO)も今年から、およそ10億円に達する予算を夜間観光事業の基盤育成などに投入している。

 韓国は治安がよく24時間ショッピングが可能なだけに、観光公社と自治体が各地域の夜間観光コンテンツを発掘・育成すれば、観光客の地方宿泊日数の増加および1人当たりの観光支出額拡大、雇用創出などを通じ、観光産業の活性化を図ることができる、というのが観光公社の分析だ。

 漢陽大学観光学科のチョン・ランス教授は「夜間観光を通じて外来観光客の平均滞在日数が7.2日から7.9日へと0.7日伸び、相関関係があることが分かっている」とした上で「結局、夜間観光は地域観光の宿泊活性化に大きな影響をおよぼす」と分析した。英国ロンドンの夜間経済委員会の分析では、観光客の支出増大効果とともに運動人口の増加、虞犯地帯の幻想などにより、深夜の時間帯の危険要素および犯罪率の低下にも寄与したと評価されている。

 韓国観光公社のハ・サンソク日本チーム長は「王宮の夜間開場、夜トッケビ(おばけの意)夜市など、魅力ある夜間観光コンテンツが多い。国民による余暇の善用の側面においても効果が大きい」とした上で「夜間観光コンテンツの強化から受け入れ体制の完備、安全性の確保、夜間観光の統計整備など、夜間観光が体系的に推進されるよう、自治体、業界などと協力していく」とコメントした。

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