宮殿や朝鮮王陵などが年齢や障害の有無などに関係なく、自由に利用できる「バリアフリー」空間へと生まれ変わる。
文化財庁宮陵遺跡本部は宮殿や宗廟、朝鮮王陵について、2026年までに性別や障害、年齢、言語などの制約のない自由なユニバーサルデザインを導入し、バリアフリーとする事業を今年から順次施行する、と2月18日に発表した。
ユニバーサルデザインとは性別、年齢、障害、言語などの制約なしに施設、サービスなどを設計することを言い、バリアフリーは障害のある人たちも便利に暮らせるよう物理・制度的な障壁をなくすものだ。
バリアフリー造成事業には民間の専門家たちが参加し、バリアフリーの造成に必要な事業対象と必要な施設物を探し出し、開発することになる。ただし、文化財の価値はそのまま維持し、整備がなされる。宮陵遺跡本部は昨年、歩行施設の整備や文化財の模型制作などからなる昌慶宮バリアフリー造成事業とユニバーサルデザイン案内板設置などを行う宣靖陵ユニバーサルデザイン案内体系改善事業を完了し、試験運営した。
試験事業には専門家や障碍者団体などが参加し、意見を反映。事業結果を「宮陵バリアフリーの優秀性と刊行物」として制作し、全国の文化遺跡バリアフリー造成事業で参考にすることができるようにしている。
宮陵遺跡本部はバリアフリー造成事業造成だけでなく、文化財の享有が難しい人たちに必要な便宜事項を反映した「文化財周辺バリアフリー施設物に関する公共デザイン基準」をあらためて整理し、全国の文化財に適用することができる法的根拠も用意する方針だ。
宮陵遺跡本部の関係者は「誰でも差別なく宮殿や王陵をめぐることができる文化をつくり、これを通じて包容や配慮、相性の社会的価値が全国の文化遺跡に拡大するようリードしていく」とコメントした。