【ロサンゼルス聯合ニュース】第92回米アカデミー賞授賞式で作品賞など4冠に輝いた韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(以下、パラサイト)のポン・ジュノ監督が12日夜(現地時間、以下同じ)、米ミネソタ州ミネアポリスの美術館「ウォーカー・アート・センター」で現地観客との対話イベントに出席し、オスカー受賞と自身のフィルモグラフィーをテーマにトークを展開した。
地元メディアの13日付報道によると、ポン氏は観客に向かい、アカデミー賞受賞について「授賞式は4日前だったっけ、3日前だったっけ?」と尋ねながら、「もう3年前のことのような気がする」と語った。
9日のアカデミー賞授賞式を終え、翌朝までロサンゼルスの飲食店で打ち上げに参加したポン氏は、11日に飛行機でミネソタへ向かった。
ウォーカー・アート・センターは「境界を越えて(Beyond Boundaries)」というタイトルで「パラサイト」「母なる証明」「オクジャ(okja)」「スノーピアサー」などポン氏の映画作品を振り返るイベントを開催し、ポン氏はその最終日に観客との対話に臨んだ。このイベントのチケットは早々に完売した。
アカデミー賞6部門にノミネートされた「パラサイト」は、英語以外の外国語の映画として初めて作品賞を受賞する快挙を成し遂げ、ほかに脚本賞、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)、監督賞にも輝いた。
ポン氏は、4冠の背景については、もう少し考える時間が必要だとしながら、「すごいことには違いないが、今も理解できない」と語った。
「パラサイト」が国際長編映画賞の受賞作として呼ばれたとき、それ以上の受賞を期待していなかったといい、監督賞が発表されるとコメントの用意もなく舞台に上がったと打ち明けた。
ポン氏は当時、壇上で「オスカーが許してくれるなら、このトロフィーをテキサス・チェーンソーで5等分して(ノミネートされた他の監督たちと)分け合いたい」と述べて拍手喝采を浴びた。ホラー映画の古典的作品「悪魔のいけにえ」(原題:The Texas Chain Saw Massacre)を引き合いにコメントしたものだが、ポン氏は「どうしてあのときテキサス・チェーンソーを口にしたのか分からない」と言って笑った。
だが、観客との対話では米国のジャンル映画について「私の血管を流れる血液のよう」だと愛着を見せた。
大学時代などにアルフレッド・ヒッチコック監督、ブライアン・デ・パルマ監督、サム・ペキンパー監督が手掛けた映画に接し、「韓国の現実とジャンル映画のおもしろさを合体させることが私の目標になった」と説明した。
ポン氏は、韓国の監督たちは緩い美学的基準を共有しているものの、それはデンマークの「ドグマ95」やフランスの「ヌーベルバーグ」など、映画監督たちの集団的で意識的な運動とは異なると紹介した。
また、自身を含め、パク・チャヌク氏、キム・ジウン氏、イ・チャンドン氏ら、現在活発に活動している映画監督たちを「韓国の第1世代の映画狂」と称した。
ポン氏は来週、米国から韓国に帰国する予定とされる。