韓国映画史上初の快挙
作品賞に輝けば非英語圏では初受賞
来月9日の授賞式で受賞作発表
「オスカー」のトロフィーが目前に迫った。韓国映画界で史上初めて、ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』(以下『パラサイト』)が米国アカデミー賞の最終候補として6部門に名を連ねた。来月9日(現地時間)に授賞式が開催される第92回米国アカデミー賞で、作品賞・監督賞・脚本賞・国際映画賞・美術賞・編集賞の6部門の候補に上ったのだ。韓国映画史100年、1963年にシン・サンオク監督が『離れの客とお母さん』でアカデミーに初めて挑戦状を突き付けてから57年を経ての成果だ。
アカデミー賞授賞式を主管する米国映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は13日(現地時間)、動画サイト「ユーチューブ」のアカデミー賞公式チャンネルを通して、最終候補リストを発表した。司会は韓国系ハリウッド俳優のジョン・チョーと、女優で作家のイッサ・レイが務めた。作品賞には『フォードvsフェラーリ』『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『マリッジ・ストーリー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などが『パラサイト』と共に名を連ねた。『パラサイト』が作品賞を受賞したら、非英語圏の映画としては初の受賞になる。カンヌ映画祭のパルム・ドールとアカデミーの作品賞を同時受賞した映画も、今のところ1955年の米国デルバート・マン監督のロマンス映画『マーティ』以降、1本もない。
監督賞候補には、『アイリッシュマン』のマーティン・スコセッシ、『ジョーカー』のトッド・フィリップス、『1917 命をかけた伝令』のサム・メンデス、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のクエンティン・タランティーノなどの名前が共に挙げられた。監督賞部門のアジア人受賞者は、台湾のアン・リー監督が初めてで、今のところ唯一でもある。ハリウッド映画『ブロークバック・マウンテン』と『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』で2度受賞している。
今回受賞した場合、ポン監督は歴代たった2人のアジア系アカデミー監督賞受賞者になる。このほか脚本賞では、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』『マリッジ・ストーリー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などが『パラサイト』と競うことになった。主題歌賞では最終候補に上らなかった。一方、イ・スンジュン監督のセウォル号ドキュメンタリー『不在の記憶』(In The Absence)も、短編ドキュメンタリー部門の候補に上った。