「ク・ハラ、私に会っていたら、あの子は絶対に死んでいなかったと思う。私があの子を変えたと思う。あの子、あまりに弱かったんだ。あまりにも他人を意識しすぎていたじゃないか。例えばXXが誤って高校の時に動画を撮って、それがちょっといやらしい動画だったとしよう。それをほかの人たちが見た。死ぬ必要がどこにある? 私ならこう言うだろう。どう? 見た感想は? 私の体どう? そういう強いメンタルを持てってことだよ」
これは、亜洲大学女性連帯の小グループW.I.Aが、大学内のある教授の発言だとして公論化した内容の一部だ。問題の教授は先月27日の授業中、学生に向かってこのように発言したという。先月24日、歌手のク・ハラさんがソウル市江南区清潭洞の自宅で亡くなっているのが見つかってからわずか3日後のことだった。
W.I.Aは「故ク・ハラさんの死、そして女性の被害は私的な事ではない」と題する壁新聞を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や大学構内各所で公開したと明らかにした。W.I.A側は、不特定多数にとっての性的対象にされる経験をした故人の問題を「個人の精神力の弱さの問題」と見なしたことが大きな問題だとして、社会問題であるデジタル性犯罪の深刻性を軽く考えていると批判した。
その上で「自分だったら『私の体、どう?』と言っていただろう、という言葉を発して故人に対し二次的に加害した」として「加害者の犯罪行為を正当化し、女性が被害者となる事件を歪曲(わいきょく)してささいな事だと見なす発言だ」と強調した。
W.I.A側は、今回の教授の発言に関連し、全教職員に対して性教育を拡大するとともに、学生に対しても犯罪被害者に対する2次加害やそれに同調する行為をやめるよう求めた。
W.I.Aは亜洲大人権センターにこうした状況を報告したという。また、状況を認識した大学側は、問題の教授の発言について真相調査に着手した。学校側は、問題となった発言以外に他の問題があったかどうかについても全般的な調査を行う予定だ。