黄金色に輝くイチョウの森に秘められた物語

 秘密の森がベールを脱いだ。一年のうち10月の1カ月間だけ開放される、江原道洪川郡にあるイチョウの森。この時期になると、誰でも無料で黄金色の世界を楽しむことができる。今ではもう有名になり、カーナビでも「洪川 イチョウの森」で検索することができる。ソウル-襄陽高速道路を利用し、麟蹄インターチェンジから国道に入ると、渓谷に沿って曲がりくねった片道1車線の道路が続いている。国道で洪川郡内面広院里までおよそ1時間。

黄金色に輝くイチョウの森に秘められた物語

 がん闘病中の妻のため、一人のロマンチックガイがこのイチョウの森をつくったといううわさは事実なのか、ご主人に聞くと、笑いながら手を横に振った。彼は34年前、消化不良で苦しんでいた妻のため、体にいいという湧き水を探してソウルから洪川までやって来たという。そしてこの場所が気に入り、渓谷の横にある広い土地を購入し、イチョウの苗木を2000本植えた。幼いころ、大きなイチョウの木の上で遊んでいたころが懐かしかったからだという。真心込めて世話をした苗木たちが成長し、雄大なイチョウの森となった。

 斜めに差し込む日差しを浴び、イチョウの葉がひときわ黄金色に輝く午後。記念写真を撮る人々の顔にはロマンあふれるほほ笑みがいっぱいだった。ロマンチックガイがプレゼントしてくれた秋を楽しんでいるようだ。

オ・ジョンチャン記者
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